まだ夏の暖かさが少しの残る秋の始まりに、涼しげな音色や弾むようなリズムが合うような気がして、久しぶりにヴィブラフォンのCDを聴いているのだけれど、今年の9月は真夏のように暑い日が続いたと思ったら、急に寒くなったりして秋の日らしいなかなかピッタリな気分になれず、期待はずれでした。おまけに暑いなーと思ってたら今週いきなり寒くなってしまうし。いや、一度、しばらくはこれを聴いてみようと思ったら、意外と気候なんて関係ないものなんですけどね。
というわけで、「秋の始まりとヴィブラフォン」と題して、9月によく聴いたヴィブラフォンのCD8枚、前編。前回は、面倒になってしまって後編はなかったことにしてしまいましたが、今回はどうなるのか?とりあえず前回より1枚増やして4枚。
■「Jazz’n’Samba」-Milt Jackson-
前半にはストレートなジャズ、後半にはボサノヴァ・サンバのリズムの曲が収録されていて、ヴォーカルやスキャットが入ったものなどもあり聴きやすい。A面B面を意識したこういう構成は、アナログ盤だとちょっと得した気分になったものなのだが、CDだとそういう感じはなくなってしまう。音楽的には、あくまでもサイドワークスというかミルト・ジャクソン本来の音楽性が全面に出ているとは思えなくて、その辺のリラックス感もこのアルバムのいいところかもしれません。
■「Mucho Mucho」-Shirley Scott-
イージーリスニングで使われるオルガンの音とジャズファンク系のオルガンの音の中間といった感じの音色とヴィブラフォンの音、そして弾むような軽いリズム感がマッチしていて心地よいアルバム。というか、なんでこのアルバムを今まで買ってなかったのか不思議なんですけどね。
■「New Time Element」-Emil Richards-
「Girl Talk」や「Call Me」「Sunny」といったヒット曲を変拍子で演奏するという変わったアルバム。もともと変拍子で演奏されていた「TakeFive」だけ4分の4拍子で演奏されているというところもひねくれ具合に念が入ってていいです。とはいえ、ヘッドフォンで聴いていると、リズムにのれそうでのりきれずに、知っている曲ばかりなだけになんだかが不思議な気分になってしまいます。
■「This Is Walt Dickerson!」-Walt Dickerson-
ウォルター・ディッカーソンは、ヴィブラフォンのコルトレーンと呼ばれているらしいのですが、コルトレーンを聴き込んでいるわけでもない私にはよくわからないです。全体的には、ラテンぽい曲があったり、ミディアムテンポでころがるようなヴィブラフォンが楽しめる曲があったりして聴きやすいと思います。