「頭の洗濯」-吉田健一-

吉田健一の本を読むのも久しぶりだなぁ、なんて思っていたら、前回読んだのは去年の2月でした。一年ぶりですか。そうなると、急いで読むのがもったいなくなってしまって、一日ゆっくりと、一篇か二篇ずつ、なんて感じになってしまいがちます。こう言うときは何冊か平行して本を読めばいいのかな。どうでもいいことですが‥‥。

週末は、阿佐ヶ谷住宅の一画にあるトタンギャラリーに行って来ました。阿佐ヶ谷住宅は、南阿佐ヶ谷から歩いて5分くらいの場所に、50年くらいに前に建てられた集合住宅。知ったときは、昔住んでいたアパートの近所にあった牟礼団地みたいな小さめの団地が並んでいるのかな、と想像していたのですが、実際は、中にはそういうものもあるけれど、半分以上は、その形や色合いがどこか福生の米軍ハウスを思わせるような2階建てのテラスハウスで、小さな庭がついていたり、公園や芝生の植えられた共有部分が大きく取られていて、都心とは思えない素敵で、かつ贅沢な場所でした。こんなところと分かっていたら、ちゃんとしたカメラとたくさんのフィルムを持ってくればよかったとか、ベーグル屋さんでサンドウィッチでも買ってくればよかったとか、いろいろ後悔してしまうもの。物件のほとんどは立て替え後の企業が押さえてしまっていて、窓やドアには板が張られてしまっていて、予定では4月頃から取り壊し作業が始まってしまうみたいなので、(住民の反対で取り壊しが延期されたという情報もあり)近いうちに、また行かなくちゃ。

阿佐ヶ谷住宅も含めて、老朽化によって、ふるい建物がどんどん壊されてしまうのは、ある意味、しょうがないことだけれど、代官山や表参道の同潤会アパートを例に取るまでもなく、たいていは壊される前の建物よりも醜悪なビルやマンションが建てらることが多いこともあって、やはり寂しい気分になります。逆に目黒川沿いは、古い建物をうまく利用したお店が多いので、まだ散歩道として楽しめるのが救いですね。新しいお店でもなんとなく周囲にあった雰囲気の建物が多いような気がするしね。
先日、ランチを食べに行った和菓子や日本茶の専門店、HIGASHIYA SABOもそんなお店の一つで、外装はそのまま蔦のはった木造の建物なのだけれど、中はもとの素材をうまく使いながらも、ガラリと違うモダンな雰囲気になってます。目の前の窓の向こうに、文字通り切り取られたようなさくらの木が見えのもまたいい感じで、あとひと月ぐらい後には、さくらの花が窓いっぱいになるんだろうな。そんな時期にまた行ってみたいけれど、3月の終わりからは予約を受け付けないらしいので、花見の頃の目黒側沿いの人出を考えると、まぁ入るのは無理ですね。
昼の懐石ランチは、量としてはちょっと物足りないような気がするけれど、味がきちんとついていたり、漬け物がたくさん出てくるので、ついご飯がすすんでしまい、気がつけばお腹いっぱい。いや、ご飯はいいからお酒が飲みたい、という気分でした。
目黒川沿いにいろいろなお店やカフェができはじめたのは、ここ10年くらいのことだと思うのですが、そのきっかけとなったのは、やはりオーガニックカフェということになるのかな。けれど、前にスウェーデンのジャズレーベルをやっている人のインタビューが載っている雑誌を読んでいたら、日本にもリスナーがたくさんいるので、日本に事務所をつくりたい、事務所の場所は中目黒がいい、なんてことを言っていたのは、コーネリアスの影響が大きいかも、なんて強引に話を続けてみる‥‥

from Nakameguro to Everywhere

金曜日に行ったリキッドルームでのコーネリアスのライブは、ダイブやモッシュが絶対にないと分かっているからか、「これでもかっ」ってほど人を詰め込んでいて、帰りの満員電車よりもひどいくらいでした。まずわたしのチケットの整理券が580番という時点でおかしい。ライブの内容がよかっただけにもう少し、ゆったりと、できればもう少し大きな、椅子のある場所で聴きたったです。音楽的にそういう場所のほうがあってると思うし、お客のほうもコーネリアスのライブで騒いだり、暴れようなんて考えていないと思うしね。そういうことをされると、しょせん音楽うんねんよりも金儲けなわけね、なんて思ったり。
そもそもリキッドルームは、たいてい人を詰め込みすぎている感じがするのは気のせいだろうか。会場費が高いのだろうか?