「庭の山の木」-庄野潤三-

三連休に北海道に行って来ました。
札幌に行こうと思いたったときから、あまり動き回ったりせずにのんびりとしたいと思っていたので、行きの飛行機も昼ごろ羽田を出発する便だったし、帰りも午後には東京に着くような便だったので、札幌にいたのは実質、一日だけ。いや単に飛行機の予約が取れなかっただけなんですけど‥‥。
昔は、どこかに行くとなると、その街の周辺の喫茶店やカフェ、レコード屋、雑貨屋‥‥などをチェックして、一日になん店もカフェをはしごしたりしたものだけれど、今回はわざわざ出かけていって‥‥という気にもなれず、まぁどこかでカニとジンギスカンを食べて、一つくらい札幌の喫茶店にでも入って、羊ヶ丘展望台で羊でも見ながらソフトクリームでも食べられればいいかな、という軽い気持ちで羽田を出発。実際、ほんとにそれしかしなかったです。基本的に自分たちだけではほとんどなにもせず、札幌に住んでいる友達に車で案内してもらっていたしね。

そんな中で気になった場所といえば、狸小路を抜けたところ、FAB cafeの周辺とロイズ珈琲館かな。Fab cafe自体は、ちょっとおしゃれな普通のカフェなんだけれど、昔からあるような建物がまわりに残っていたり、そういう建物を改造した雑貨屋さんがあったりして、しかも通り全体に適当に寂れた感が漂っているのがよかった。ロイズ珈琲館は、旧小熊邸と言う昭和2年に建てられた建物を移築復原した喫茶店。まさに昭和初期のモダンな建築。私は特に建築に関して興味があったり、知識があるわけではないけれど、その土地に昔からある建物を見るのは、旅行の楽しみの大きな一つだと思う。結局のところ喫茶店とかカフェ、雑貨屋‥‥なんて言っても、売っているのものは東京とそう変わらなかったりするわけだし‥‥。
けっこう楽しみにしていた羊ヶ丘展望台は、寒かったせいで(といってもこの時期の札幌にしては暖かかったのですが)、柵のすみにひつじたちがかたまったまま動かず、中には寝そべったままで口だけ動かして草を食べているものぐさなひつじもいたりして、なんとなく勝手に広い草原をひつじたちが走り回っているところを想像していただけに少し肩すかしでした。でも晴れていたので見晴らしはよかったし、ソフトクリームもおいしかったです。