グラフィックデザインの代表的な媒体としては、ポスターと広告があげられるのだろうけれど、個人的には雑誌(本)の表紙もわりと好きで、一時期そんな表紙を集めた本をよく買ってました。広告もそうだけれど、雑誌の表紙はある期間同じデザイナーがてがけていることが多くので、とおしてみるとその人のデザインの傾向や変遷が分かったりするし、ときどき実験的な手法を用いていたりするときがあって、興味深い。ただ雑誌の表紙というのはアメリカが中心でヨーロッパのものはあまりまとめられたものがないような気がします。そもそも雑誌というメディアがアメリカ的なのかもしれません。偏見ですが、アメリカという国は、分量の多い長編小説や何年もかけて連載される新聞小説よりも、雑誌に掲載される短編小説やコラムの方が重要視されているように思います。
この本には、1920年代から2000年までの表紙が掲載されていて、ひとつひとつの雑誌については、それほど多くの表紙が掲載されているわけではないので、そのデザイナーの変遷という意味では物足りない。およそ100年という長い期間でのデザイン全体の流れ、というか印刷技術の進歩の様子がわかるという感じではあります。まぁ月並みですが、1950年代から1960年代にかけて作られたものが好きだ。それは好みの問題もあるけれど、ある意味、印刷技術とデザイナーのアイデアがちょうどいい具合のバランスを保っているような気がします。それより前の時代は、アイデアよりも技術の方が追いついていない気がするし、それ以降は技術の方が進みすぎているような‥‥。ただの個人的な印象に過ぎませんけどね。
さて、週末からロバロバカフェの新春古本市が始まりました。わたしは基本的には社交的な性格ではないので、こういう機会がないとほかの古本屋さんの人と話したりすることもないし、来てくれた人と話したりすることもないので、特に店番の当番でなくても、行けるときはできるだけ顔を出して、用もないのに店の中をうろうろしたり、人が沢山はいってくると居場所がなくなってときおり外に出てみたり、コーヒーやケーキを食べたり、ほかの本屋さんの本を眺めたりしてるつもり。ロバロバカフェ自体もかなり居心地のいいカフェですしね。