今年中にもう一冊くらい読んで、大晦日あたりにここの更新ができるといいのだけれど、どうなるのだろうか。
「あまカラ」に「食べもののでてくる話」という題名で連載されていたものをまとめた「雪まろげ」の続編。当然のことながらこちらのほうも、食べもののことよりも身辺雑記が中心になっているが、「雪まろげ」の一番最初に取り上げられた浅草の駒形どぜうが、「年年歳歳」の最後にふたたび取り上げられてたりする。
江戸っ子の言葉なんて、わたしにはぜんぜんわからないし、ときどき意味のわからない言葉も出てくるけれど、安藤鶴夫や秋山安三郎の文章の、ていねいできれいな言葉の使いようと、「ン」など話し言葉を表した勢いのあるカタカナの使いようのバランス、その適度なリズム感が好きだ。江戸っ子という狭い範囲を超えて、日本語の一つのお手本といえるのではないかと思う。特に、小説のように肩に力の入ったものではなく、内容的に気楽なもの・ことを書いているだけに、文章の流れやリズムが強調されるのかもしれない。こういう本を、もっと前、10代の頃に少しでも読んでいたら、わたしの書く文章も少しは違ったものになっただろうに、なんて後悔も少しだけしてしまいますね。別に文章を書く仕事をしているわけではないので、独自のスタイルを駆使したり、難解なロジックを組み合わせたりする必要はぜんぜんなく、ただ正しくてきれいな日本語を使って、流れがスムーズで読みやすい文章が書けたらいいな、と思うのだけれど、まず正しい日本語を使うということから難しいわけで・・・・。