「春 その他」-吉田健一-

気が付けば週末が終わってしまいますね。金曜日の夜は古今亭駿菊独演会を見に行って来ました。独演会と言っても曲芸師の翁家和助や五街道佐助、昭和のいるこいるも出演。もっとも私は会社を出るのが遅くなってしまったので、途中からになってしまったのですが、のいるこいるを見ることができたので満足です。そもそも金曜といえども平日に5時半会場、6時半開演はというのは、ちょっと早い。
ちなみに古今亭駿菊さんは、ミオ犬の友達の旦那さん。そういうつながりもあって、前回、落語を見たのは古今亭駿菊さんの真打昇進記念独演会の時で、その次の年のお正月に浅草に行って初詣をした後、半日くらい演芸ホールで落語を聞いて以来、そういう機会もなかなかなくなってしまってました。ついでに調べてみたら、真打昇進記念独演会があったのは平成14年、もう3年前のことでした。まさに光陰矢のごとし。

「春 その他」は、吉田健一の遺作集で、「余暇」「東京の町」「犬」「ロンドンの飲み屋」「文庫と私」といったタイトルが並んでいて、思いつく事柄を気ままに書いてみた、という印象の本だけれど、ある意味、吉田健一のエッセンスとなるものがピックアップされているので、さらりと読むには、もしくははじめて吉田健一の本を読む人にはいいかもしれない。
とはいっても吉田健一の文章をさらりと読むのは難しいですけどね。しばらくぶりに読むとやはり読みにくい文章だな、とつくづく思ってしまいました。しかし、だんだんと読み進めていくうちにリズムがつかめてきて、いい感じになってきたところで読み終わってしまい、なんだか欲求不満な気分が残ってしまった。もう一冊くらい続けて吉田健一の本を読みたい気分になっているのだけど、手元に未読の本はないし、そうそう吉田健一の本を手頃な値段で手に入れられるわけでもなく・・・・。いや、この本をもう一度繰り返して読んでもいいかもね。