講談社文芸文庫のいいところは、巻末に年表と作品の一覧が載っていることで、この本でも、生涯に20以上の長編、300以上の短編、そして随筆や紀行文など、膨大な作品を残したという里見弴の作品がリストアップされていて、それを眺めるだけでもなんとなく楽しい。といっても手に入れられるのはその中のほんの少しだけですけど。ついでにアマゾンで里見弴の作品を検索してみたら「極楽とんぼ」「道元禅師の話」「多情仏心」「善心悪心―他三編」「文章の話」「安城家の兄弟」「今年竹」「里見弴随筆集」「桐畑」「雑記帖」「秋日和・彼岸花」と、この「初舞台・彼岸花」が表示されました。12冊、これを多い見るか、少ないと見るか。
でも教科書に載っているような一部の有名な作家ではない限り、戦前に発表された作品を気軽に読むというのは、もう不可能なんじゃないと思う。当時出た本そのものを手に入れるのは難しいだろうし、もし手に入れられたとしても、旧仮名遣いの本を読めるかどうかも怪しい。そうした本も終戦直後には復刊されたのだろうけれど、それから60年も経っているわけで、そのあいだに手に入らなくなっってしまった本が、これからまた復刊されるとは考えにくい。それにしても、こんな一覧を載せておいて「300以上の短編の中から8編を選んで収録」なんて言われてもなぁ、という気はする。
昨日は代休を取って久しぶりに銀座に行ってみた。ほんとうは3月3日から大丸ミュージアム東京で「チャールズ&レイ・イームズ」展が開催されているので、ついでにそれを見ようと思っていたのだけれど、有楽町の無印でお茶したり眼鏡を買ったりしていたら、時間がなくなってしまったためキャンセル。
実際、、今、この時点で、イームズというのは、どうなんでしょう?もちろんいつ見てもいいデザインだと思うし、こういうのを一過性の流行みたいにとらえるはイヤなんですけど、現実問題として、家具というプロダクトとしてイームズを考えた場合、イームズの椅子を日本の狭いアパートやマンションにいくつも置くわけにもいかないし、部屋に合うとも思えない。ものが実用的なものだけに、そう考えると、わざわざ展覧会にいってもねぇ・・・・という気分になってしまいます。私自身、なにかデザインに関わるような仕事をしているわけでもなく、そういう方面に才能があるわけでもなし・・・・。