「猫は夜中に散歩する」-田中小実昌-

-■前回もちょっと書いたけれど、前半は、戦中に徴兵されたときのことから、戦後まだストリップという名称もない時代にストリップを始めたこと、その後、バーテンやテキヤなど職を変えたころのできごとなどがつづられており、後半は自身が翻訳した小説の解説を収録している。自身の体験については、ほかの本で読んだことのある内容が多いし、解説のほうは推理小説が多いので、小説自体は読んでないものばかりなのですが、語り口がいいのでついつい引き込まれてしまう。まぁ飲み屋で奥に座っている常連さんの話を聞いてるという感じでしょうか(単なるイメージです)。
ただ前述のストリップの話や、飲み屋で女の子が田中小実昌の”もの”をひっぱる描写が繰り返される話、女の子と熱海のホテルに行く話とかそういう話が多いので、なんとなく昼休みに会社の社食で読んでいると、ここでこれ読んでていいのかな?という気にちょっとなってしまったりした。別に一人で食べてるので、周りに知り合いがいるわけでもなく、いたとしても田中小実昌に興味を持つような人はいないと思うので、どんな本を読んでるかなんて、人に言う機会もないんですけどね。

■3連休の日曜は、子どもたちのレスリングの大会へ。といってもわたしは自分の子どもたちが試合の時間前後に会場に行って、試合を見るだけでしたが。レスリングに限らないと思うけど、個人競技の大会はどうしても待ち時間が泣かくなってしまいますよね。子どもたちは、8時半に西早稲田の会場に行って、終わったのが6時半でした‥‥
うちはそれほど本格的にやっているわけではなく、週に1回程度の練習なので、まぁ体の動きがよくなればいいかな、という感じなのですが、ほかのチームの子どもたちはかなり真剣にやってて、もう構えも動きも違う。うちのチームなんて、出番が来るまでお菓子を食べたり、スマホでゲームしたり、追いかけっこしたりしてたけど、ほかのチームはずっと練習してましたから。
そんな状態ですが、こういう試合がきっかけになって、練習を真剣にやれるようになればいいかなと思ったりしてます。

■で、お父さんはそのあいだ何をしていたかというと、古本屋や中古レコード屋に行っていたわけですが、西早稲田ということで、近くの戸山ハイツを歩き回ったりしてました。戸山ハイツは、戦前は軍事施設が設置されていたところに、戦後、建設された都営住宅で、今残っているのは、1970年代に立て替えられた鉄筋コンクリートの高層住宅になります。近くには箱根山を中心とした戸山公園があったり、図書館、郵便局、幼稚園、小学校もあるというマンモス団地なんですが、高層住宅が多い分、それほど古い感じはしないです。あと、似たような形の建物が多く、敷地もかなり広いので、なんとなく歩き回っているうちに、もういいかな、という気分になってしまいました。普通に公園で家族連れの人たちが、遊んでいたりするし、実際はどうかわかりませんが、普通のマンションとあまり変わらないかも。転んだのか頭から血を出して老人が人に囲まれてて、救急車を呼んでいたりしましたけどね。
でもこういう団地ってWebで調べたりすると、たいてい外国人がたくさん住むようになったとか、年月が経って住んでいる人が高齢者ばかりになった‥‥みたいな書き方をされているけれど、わたしが歩いている印象だと、どこもわりと普通に公園で子どもたちが遊んでいたりして取り残されている建物、みたいなイメージはそれほどないです。お年寄りはあまり外に出ることもないだろうし、実際はどうなんでしょうねぇ。

■それから、今回は行かなかったけど、隣の東新宿には、軍艦マンションというのがあって、子どもが生まれる前のことなので、もう10年くらい前になると思うのですが、大久保の健保会館で会社の人10人くらいで、中華を食べて、そのあと散歩がてら、見に行ったことがあります。中まで入って歩き回ったり、途中の階のちょっと空いているスペースから上を見上げたりしました。どこかの部屋から爆音で音楽が流れてきたりしてましたね。その頃も、もう部屋自体をリフォームして、若い人たちなどが入居し始めてたりする記事が出ていたり、リフォームした部屋の内覧の案内が出たりしていたけど、今はどうなってるんでしょうか。次に同じ場所で大会が行われたときはちょっと見に行ってみたい。