「柳原良平の仕事」

-■年末くらいに出た柳原良平の作品集。最近も定期的に新しい絵本が出ていたので、亡くなったときはびっくりしました。サントリー宣伝部で一緒だった開高健、山口瞳かなり前に亡くなっているので、絵本が出る度にすごい長生きしてるような気がしてました。
柳原良平の作品をまとめたものというと、2000年代に、「Ryohei Yanagihara」と「柳原良平の装丁」という本が出ていて、こちらはわりと、装幀やイラスト、絵本の原画などが中心でした。こちらはグッズの写真なども掲載されているのがいい。見ていると欲しくなっちゃうけど。

■ところで、この本で原子高志さんが追悼文を載せていて、2001年に行われた「柳原良平vs原子高志 二人展」の話を書いていて懐かしい。展覧会を知ったので、終わってから2か月くらい経ったときで、展覧会に行けなくてくやしい思いをしたことを思い出しました。しかも当時、中目黒から歩いて10分くらいのところで働いてたんですよね。
この展覧会の告知で初めて知った原子さんとは、その後、パレードでのDJを見に行ったり、原子さん自身がやっているイベントに遊びに行ったり、そのイベントでゲストで回させてもらったりすることになるのですが。
その原子さんのイベント「ONE plus ONE」が、4月16日に吉祥寺の伊千兵衛で行われます。行きたいけど、次の週イベント出店があるので、その準備で追われていそうなんですよね。どうなるのか‥‥

-■そう、4月23日は、東小金井の高架下、アトリエテンポで行われる「家族の文化祭」に出店します。アトリエテンポのサイトで、まだ告知されていないので、言っていいのか分かりませんが、もう今週末は4月ですしいいですよネ。
昨年の11月に1周年を迎えた際に行われたイベントの第2回になるのかな。前回はフードやクラフトのお店が出たり、ワークショップやライブが行われたりして盛りだくさんな楽しいイベントになっていたので、今回もいい雰囲気の楽しいイベントになると思います。と言っても、どんな方が出るのかはわかりませんっ!
カヌー犬ブックスは、前回と同じように絵本や児童書を中心にしつつ、今回は、大人でも楽しめるよう、食べ物や旅のエッセイなども少し多めに持っていこうと思っています。座ってゆっくりできる場所もたくさんあるので、ごはんやおやつを食べながら、音楽を聴きながら、ゆっくり本をめくっていただければと思います。

 ■開催日/2016年4月23日(土)
 ■時 間/11:00~16:00 雨天決行・荒天中止
 ■場 所/コミュニティステーション東小金井・モビリティステーション東小金井
 ※JR中央線東小金井駅高架下近辺(東京都小金井市梶野町5丁目)
 ■URL(Facebook ページ):http://www.facebook.com/kazokunobunkasai

「ほろよい味の旅」-田中小実昌-

-■新宿や浅草などの近いところから故郷の広島、北海道、名古屋、鹿児島などの日本各地、そしてサンディエゴやダブリンまで、さまざまな場所での飲み歩き記。一応3部に分かれており「味な話」では、各地のおいしい食べ物が取り上げられており、「酔虎伝」ではビール、ワインを中心とした話と旅先で飲んだお酒のこと、3部の「ほろ酔い旅日記」は、旅の話を中心につづられている。食べ物から旅へのグラデーションになってるとも言えるか?適当。
といっても、前にも書いたような気がするけど、コミマサさんのこの手のエッセイは、基本的にはどれも同じような話だし、まったく同じ話も出てくるわけですが、飲み屋のカウンターでいろいろ昔話を聞いてる感じでいい。でもやっぱりおもしろいのは、新宿、浅草、そして子どもの頃に過ごした広島や若い頃に帰るお金がなく1年間くらい過ごしたという北陸、ヌード劇場に出てたという神戸など、長期で滞在した(あるいは住んだ)場所の話なんですよねぇ。
そういえばテレビで、ローカル路線のバスを乗り継いで目的地に行くって番組やってるみたいですけど、バス乗り継いでいくのに目的地とか期間を決めちゃダメですって。

-■3月は人生初のインフルエンザにかかってしまい、何もできず、という感じでした。しかも家族4人‥‥。1回38度以上の熱が出て、次の日には37度後半くらいまで下がって、3日ぐらい続いたのですが、普通の風邪でも39度のとかの熱が2、3日続くタイプなので、症状としてはそんなにつらくはなかったかな、と。ただインフルが治ってからも、なぜか1週間くらい夜になると熱が出続けたので、パソコンを立ち上げる気力もなく、ぼぉっとテレビとか見て、10時前に寝る生活をしていました。夜、テレビのニュースとかを見つつ、だらだら過ごすなんて何年ぶりでしょうかね。ほんと本の入力や表紙のスキャン、サイトの更新などをまったくしないと楽ですネ。
と、そんなことを言っても、4月、5月はイベント出店が続くので、いつまでもだらだらしていないで、そろそろ本腰を入れて準備をしなくては‥‥。
それにしてもインフルエンザのせいで漣くんの卒園式に出られなかったのは痛かった‥‥

-■ところで、今、子どもたちの中で深海生物ブームが来ていて、ことあるごとに図書館で図鑑を借りたり、自分でも買ってみたり、ダイオウグソクムシやダイオウイカ、メンダコなどを折り紙で作ってみたりしてるので、思い切って3連休に江の島の水族館へ行ってきました。江ノ島水族館は、しんかい2000という潜水調査船の展示や深海生物のコーナーが充実してるんですよね。
しかし春休みの3連休ということでめちゃくちゃ混んでて、ゆっくり見る雰囲気ではなく、子どもたちもじっくり楽しめたのかどうか微妙でした。それでもメンダコやフトツノザメ、タカアシガニを見たり、ダイオウグソクムシにさわったりできるコーナーでは何度も行ったり来たりしていましたけどね。しばらく深海生物ブームが続くようだったら、また行ってみようかな、なんて思ってます。
10代後半くらいの女の子がメンダコを見て「かわいい」といか言いながら、写真を撮っていたのにはびっくりしました。ちょっと前にダイオウイカが注目されてましたけど、深海生物って流行ってるんですかねぇ。

「目ざめて腕時計をみると」-堀江敏幸-

■堀江敏幸による初写真集。堀江敏幸は自分の本の装丁をしたりしているので、雰囲気としてはそれらと大きく変わらなくて、街の片隅の風景を中心に、家の窓や街角の広告、そして雑誌の1ページや切手といったものがモノクロのフィルムで撮られている。いや、フィルムかどうかわかりません。でもフィルムであってほしいです。勝手なイメージですけど、デジカメで撮ってモノクロに変換しました、なんて言われたらちょっと困惑しちゃいますね。
特に主張したり目を見張るような風景があったりするわけではなく、でも一見なんてことのない地味な風景からあれこれとイメージがわいてくるように感じるのは、堀江敏幸の小説や随筆と同じ。むしろ、小説や随筆を読んでいるからこそ、そういったイメージがわいてくるのかもしれませんが。そういった意味では、写真集ではあるけれど、いつもの堀江敏幸の本と変わらなくて、表現方法が変わっても表現している方向性は一貫しているなと思う。

-■最近、通勤の行きはガールポップ、帰りは蓮沼執太の「メロディーズ」を聴くという毎日が続いている。去年のウワノソラ’67くらい聴きこみそうな勢いです。そんな勢いにのって渋谷のタワーレコードでやっているインストアライブに行ってきました。
整理券がなかったので後ろのほうで立って見るという状態でしたが、キーボードを弾く蓮沼執太とギターの石塚周太を360度囲むようになっていたせいもあって、後ろでも観客で見えないこともなく、楽しめました。1曲目に「RAW TOWN」を演奏した後は、事前に練習したのでアルバムの曲を2人で練習し全曲演奏できるということで、お客さんのリクエストに答える形でした。最初は遠慮がちに曲名を言っていたお客さんたちも、最後のほうになると、曲が終わる直後に曲名を叫ぶようになったりして、会場に合ったいい雰囲気のライブでした。キーボードとギター、そしてリズムボックスという編成で、アルバムのアレンジをシンプルに演奏するというところも会場に合っていたかもしれない。30分くらいで終わるのかなと思っていたら、アンコールまで答えてくれて50分くらいやったかな。
アルバムでは、細部にいろいろな音がつまっているので、バンド編成の時にどういう風に演奏されるのか楽しみたけれど、4月のライブはイベントとかぶってるので行けないんですよねーというわけで、蓮沼執太のライブは、いつも無料ライブしか行ってないわたしですが、前回、葉山で見た時はノイズ交じりの電子音楽を奏でていたのを思うと、今とのギャップにほんとびっくりする。