「人殺し(下)」-山口瞳-

昨日、表参道に行く用事があったので、ついでに19日までSPACE YUIで行われている平野恵理子展「二十年目のハワイ」を見てきました。今回は、いつものように日用品や食べ物など小さなものを書き込んだイラストではなく、油彩のような感触の画風で、部屋の中などの風景(?)が中心の絵が展示されています。いつもとはちょっと雰囲気が違うけれど、淡い感じで描かれているので、空間の心地よさ、風通しのよさが伝わってくるようで、今の季節にぴったりかも!?いや、昨日、今日はめちゃくちゃ暑かったんですが‥‥。

表参道では、もうひとつ、ギャラリー「GoFa」でやっていた水木しげるの展覧会「妖怪道五十三次 ワシントンDC・ニューヨーク帰国展」も見ました。こちらは13日までなのでもう終わってますね。「東海道五十三次」の浮世絵をもとに、妖怪をちりばめつつ現代風にアレンジした作品が展示されており、鬼太郎や目玉おやじ、ねずみ男といったおなじみの妖怪から、「なんなんだ?」という妖怪まで、約300種類の妖怪が登場してます。また、もとの絵になじんでるものもあれば、ちょっとしたスペースまで妖怪を書き込んだり、大胆にアレンジしているため、かなり印象が変わっているものもあったりして、かなりおもしろかったです。一緒に出身地である鳥取県境港市が主催(?)しているのか境港の写真が並べてあったりするのも一興。わたしにとっては、水木しげるといえば調布市なのだけれど、昔、住んでいたときに、長年住んでいるからといって商店街に妖怪キャラクターのモニュメントが造っちゃたりするのもどうかとちょっと思ったことと思い出しました(引っ越しちゃったらどうするの?)。
1階のカフェでは、展覧会にあわせて、ぜんざいに目玉おやじ風のアイスをのせた「目玉おやじぜんざい」や妖怪の絵を表面に描いた「妖怪アイスカプチーノ」、ミントソーダにレモン果汁を加えた「妖怪ソーダ」などのメニューもあり。でもチケットにコーヒー・紅茶がついてるんですよねぇ~

「人殺し(上)」-山口瞳-

まずは、お詫びと訂正。6月27日にオーディネールも閉店?と書いてしまいましたが、「spoon」の最新号を立ち読みしていたらお店の紹介が載ってました。ホームページがなくなっただけでお店はあるみたいですね。よかった~。
ちなみに「spoon」の巻頭特集は「ブック エクスプローラー」。オーディネール以外にも本がたくさんあるカフェが紹介されていたり、いろいろな人が自分の好きな本を紹介していたりしてます。個人的には、「6月で30歳を迎えた市川実日子さん」という記述にちょっとため息‥‥。永遠の16歳(注:わたしのなかでは)実日子ちゃんも30ですかぁ~。

先週は5日のうち4日飲んでました。異動の時期なので、必然的に多くなるとは思っていたけれど、さすがに4日目の朝とかはつらかったです。というか、1週間に3回も会社の(多少増えたり減ったりしているにせよ)いつものメンバーで飲んでいるのもいかがなものかと‥‥。残りの一日は、2月に飲みに行く予定だった小学校の同級生と。去年の同窓会に来れなかった人も来たりして4人で飲んだのだが、少なくとも中学以来20年以上ほとんど交流もなく過ごしてきたのに、なんだか普通に楽しく過ごせてしまうのが、不思議といえば不思議。これが30代初めだったら、そんな余裕はなかったと思うし、45過ぎとかだったらなんとなく後ろばかり向いてそうだし‥‥再会したタイミングもよかったのかなとも思う(あれ、前にも同じこと書いたような気も‥‥)。

山口瞳の長編小説というと、「血族」「家族」「居酒屋兆冶」「結婚しません」「結婚します」「けっぱり先生」くらいしか思い浮かばなくて、圧倒的に冊数の多い「男性自身」の中に埋もれてしまっている感じではある。作品自体もどこか「血族」以外はどこか散漫な印象があるし‥‥。(「血族」は執念だけで書いているという言い方もできますが)
さて、この「人殺し」は、ひと言で言うと、作家の井崎と銀座の酒場の女、瑛子の情痴小説、この二人の関係と、井崎と堕胎をきっかけに精神を病み、一人では電車も乗れないという井崎の妻、道子との関係が描かれている。
そしてタイトルの「人殺し」は、「瑛子が井崎を殺し、井崎が道子を殺し、道子という存在が瑛子を殺す。それは逆に回転しても同じことだった。瑛子が道子を殺し、道子が井崎を殺し、井崎が瑛子を殺す……。人間が人間にかかわることはお互いに殺しあうことではないかという暗い気持で充たされていた。」という井崎の気持ちをあらわしたものなのだが、この井崎の気持ちと3人の関係の描写に微妙なズレがあるように思ったりしてしまう。
それよりも43歳の井崎から強調される“もう人生終わり感”が気になってしまいます。というのは、先週、飲んだ同級生はもちろん、周りの40代の人を見てもそういう雰囲気がないから。と、同時に自分がいつまでも経っても成長していないな、とも思う。いや、1990年代の後半以降、自分が歳をとったせいで一年経つのが早くなって密度が薄くなって行く気がするけれど、まわりを見ていると、30代後半、40代になっても“老成”をしている人はいないし、ある意味、子供っぽいままだったりする。密度が薄くなっているのは、自分だけではないのかもしれないのかも?いや、適当。

「ここは猫の国」-片岡義男-

猫を主人公にした絵本を、その表紙や裏表紙、さらにページの中の猫たちの写真と一緒に紹介した本。まぁ基本的に猫は好きだけれど、こうやって並べてみるとかなり微妙なものがあったりするのも確かで、なかなか難しい。ますむらひろしのトークショウに行ったときのことを思い出したりしました。
土曜日は、会社の人8人で、大久保にある健保の中華料理店で食事をする。6月のはじめにミオ犬とふたりで食事したときに、被保険者・被扶養者は安いし(健保の施設なので‥‥)、こういうときに一度、北京ダックをまるごと一羽食べてみるものいいかもね、ということになって、会社の人を誘ってみた次第。いやいや1カ月に2度も来るとはね‥‥。というわけで、3000円のコースと北京ダック1羽を個室で食べ、大満足。出てくる料理を写真に撮ったり、大声で話したり、最後はみんなで集合写真を撮ったり‥‥個室でよかったという感じでした。

夜の予約が取れなくて、始まりが2時からだったので、そのあと、散歩がてらに東新宿にある軍艦ビルを見に行く。単に私が行きたかっただけですが‥‥。
軍艦ビルは、「ニュースカイビル」という昭和45年に、大日本帝国海軍出身の渡邊洋治という建築家によって建てられたマンションで、現在は、ほとんど住んでいる人もいなくて、廃墟に近いビル。黒川紀章の中銀カプセルタワービルなどと並んで、建築マニアや廃墟好きにはかなり有名らしい。私たちが行ったときも、パーティなのか屋上から音楽や話し声が聞こえてきたけれど、表札の様子から住んでいる人が集まっているとも思えず、そういうのが好きな人が集まっていたんだろうなぁ、と思う。さすがに屋上まで上がって声をかけたりすることもできず、最上階の踊り場で、タバコをすったりして降りてきたのですが‥‥。中の構造もちょっと入り込んでいて、適当に歩いたら迷ってしまいそうでした。一眼レフのカメラや広角レンズなどいくつかレンズを持って、もう一回くらい行ってみたい気もします。踊り場から見た感じだと、周辺にもいろいろ気になるビルがあったのですが、どうも大きな通り以外は、私道が多いみたいで、入っていけるのかわからないんですよね。この軍艦ビルも両側ビルにはさまれているので、正面からだといまいち全貌がわからないのがむずいです。

「漂蕩の自由」-壇一雄-

週末、下北に行ったときに、たまにはテラピンでお茶をしようと思ったら、閉店していてがっかり。なんだか今年に入ってから、閉店リストが作れるのでは、というくらい行く店行く店が閉店している気がするのだけれど、どうなんでしょう?
それで、帰ってきてから、ふと思い出して、オーディネールのホームページを見てみたら、こっちもページがなかった、あちゃ~。こっちも閉店しちゃったのかな。といっても、私はオーディネールには1、2回しかいったことないですけど。友達の結婚式に行ったときに、オーディネールの店長さんが来ていて、今度下北でカフェを始めました~みたいなことを言っていたのが、もう8年位前のことか。う~ん。一時期のカフェブームみたいなこともなくなっちゃし、いろいろたいへんなのかなぁ~なんてちょっと思ったりもします。そういえば荻窪のひなぎくも9月まででしたね。

それに反してなぜか下北は古本屋ブーム(というとおおげさ?)。下北の古本屋といえば、ずっと幻游社と白樺書院、ドラマくらいしかなかったのだけれど、何年か前に古書ビビビができて、最近ほん吉が開店、それに続く古本屋が、これからあるのかどうかわかりませんが、中央線沿いの古本屋がなんとなく飽和状態になっている気もするので、次は小田急なのか、なんて思ってみたり‥‥。
ほん吉は、店内もわり広いし、あつかっている本のジャンルも幅広いので、これからちょっと楽しみです。なんてことを書いてますが、木山捷平の「氏神さま・春雨・耳学問」と永井龍男の「皿皿皿と皿」があったので買おうかどうか迷うものの、値段がちょっと高かったのでやめる。ちなみに店長さんは、よみた屋で副店長をしていた人らしいです。

「単身赴任」-山口瞳-

気がつけば、一週間経ってしまいましたが、とりあえず誕生日で思うこと。

安藤裕子の新しいアルバム「chronicle.」の1曲目は、「六月十三日、強い雨。」。HMVで試聴したら特にいい曲でもなかったので、買ってないけど、私が10代とか20代はじめくらいだったら即買いしちゃうんだろうなぁと思う。ちなみに小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」のカバーも収録されてます。今年の六月十三日は珍しく晴れてましたが‥‥。
当日は、夕方会社の人がケーキを買ってきてくれて、仕事中なのでにみんなで窓際に集まってケーキを食べた。その後、仕事が落ち着いた19日に誕生会、スマーフのTシャツをプレゼントしてもらいました。毎月、誰かの誕生会をやっていて、みんな仲がいい、いい会社だった。べつに辞めるわけではないけれどね。
金曜日の夜に、ピエール瀧とスチャダラアニの二人が、まったりと動物園に行ったりバーベキューをしたりしている番組が、スペースシャワーTVでやっているのだけれど、その落ち着きぶりを見ていると、40歳になって騒いでいるヒダカトオルが、なんとなくはずかしい。

さて、今週のボサノヴァCD‥‥
[9]「今宵楽しく」-イヴァン・リンス-
1977年の作品。イヴァン・リンスはコードの使い方がすごいらしいのだけど、わたしには当然分かりません。ときおり浮遊感を通り越して、どこかに行ってしまうような瞬間があって、そこが逆に心地よかったりします。
[10]「海の奇蹟」-ジョアン・ジルベルト-
わるいはずはないとは思いつつも特に期待せずに買ってみました。クレジット的には、ジョアン・ジルベルトになっているけれど、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジル、マリア・ベターニアの共演で、カエターノ、ジルとの三声ヴォーカルが心地よすぎます。これからの人生の愛聴盤になりそう~

「夕映え」-外村繁-

さすがに全品30%オフにするとなんとなく忙しいです。日曜日も昼間、トランクルームで本を探したり、整理をしたりしていたら、サンデーソングブックを聞きそびれてしまって、3時近くになってラジオをつけたら、アコースティク・ミニ・ライブ特集でした。22日、29日と3回やるみたいだですが、放送されたら録音しようと思っていたので、がっかり。というか。6月8日に聞かなかった時点でだめなんですけどね。
とはいうものの、ここ何年か、気になった特集のときや、大滝詠一との新春放談を、MDに録音しているのですが、はっきり言ってそうたびたび聞き返しているわけではない。しかもなんとなく、「次にCDコンポを買うときは、USBの端子がついているだけとかで、もうMDプレーヤーがないのではないか」という気がして、どうもラジオを録音するというモチベーションがあがりません。昔にくらべて執着もなくなってきているのでそのとき聞ければいいや、という気分もあるし、わざわざPCに落とすというのも面倒だし‥‥。とりあえず来週再来週は、ちゃんとサンデーソングブックを聞かなくちゃ‥‥。

「限界集落」-梶井照陰-

“限界集落”とは、「過疎化などで人口の50%が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落のこと」。この本では、著者自身が現在暮らしている新潟県・佐渡ケ島をはじめ、山梨県・芦川、新潟県・鹿瀬、熊本県・球磨村、長野県・栄村、東京都・桧原村、和歌山県・高野町など13の集落が取り上げられています。
必要以上に状況のひどさを訴えたり、感傷的になることはなく、そこに住むおじいさん、おばあさんの話を冷静に聞き、そのまま簡潔に伝えるというスタンスなのは、やはり著者自身が、佐渡ケ島に住んでいるから、なんでしょうか。写真のおじいさん、おばあさんもいい表情をしています‥‥。

さて、カヌー犬ブックスも今日から6年目、普通、古本屋さんに5年間勤めたら、ある程度、古本屋さんとして一人前になっているんだろうなぁ、とか、古本屋に限らず、会社を辞めて独立したとして5年も経ったら、ちゃんと安定した仕事ができているとか、これから仕事を大きくしていくために、会社組織にしていこうとか、考える時期なんだろうなぁ、なんて考えると、5年もやっていて進歩してないなぁと。同時期にネットで古本屋を始めた人でも、組合に入って一所懸命やっている人もいるし‥‥。
ここにカヌー犬ブックスの状況などをほとんど書いてないので、のんびりと楽しそうにやってそうって思われることが多いけれど、正直そんなことないです。そもそもものすごく軽い気持ちではじめてしまったので、開店当初はなんと、100冊くらいしかアップしてなくて、そこからスタートしたことを考えると、5年経ってようやくスタートラインに立てたかな、という気がします。これからどうなっていくかわかりませんが、基本、なるようにしかならないし、できることしかできない、と思っているので、あんまり変わらないのかもしれません。まぁそんな感じですが、6年目、7年目もよろしくお願いします。
というわけで、今日から20日までの10日間、5周年記念全品30%セールをやります。今まで買おうか迷っていた本などがありましたら、この機会にぜひご利用ください。

今週のボサノヴァCDは、女性シンガーのファーストアルバムを2枚、特にコメントなし、備忘録して‥‥
[7]「ナラ」-ナラ・レオン-
[8]「ヴァガメンチ」-ヴァンダ・サー-

「僕のアルバム」-植田正治-

没後発見されたネガの束から、奥さんを被写体とした未発表写真を編纂した写真集。結婚式の当日までお互いに顔も知らなかったという2人が一緒に暮らしはじめて、写真店を営みながら、閉店後のスタジオで写真を撮っているときの暖かな雰囲気や、お互いの距離が縮まっていく感じがものすごく伝わってきます。もちろんもともときれいな人だったということもあるけれど、写真から浮きたってくるかわいらしさは、それだけではなくて、この時期の二人のだからこその瞬間がおさめられているような気がします。

年が明けたくらいから、会社で仕事をしているときに使っているメッセンジャーの画像を、その週に食べた甘いものの写真をしているのだけれど、半年経って画像がたまってきたのではてなにあげてみました(→今週の甘いもの)。基本的には携帯で撮った写真なので、あまりきれいに撮れてませんが、携帯でちょこっと撮るくらいにしておかないと続かないと思うので、まぁこんなもんでしょ、と。ほんとはここにもいろいろ画像を載せたりしたいんですけどねぇ~
こうやってまとめるとなんだか甘いものばかり食べてる気がして、このままでは体に悪いんじゃないかと思ってしまいます。ここにアップしているもの以外でも、会社帰りにコンビニで買ったシュークリームとかアイスとかプリンとか‥‥考えてみると毎日のようにそんなものばかり食べている気が‥‥。これに加えて、週に2回くらい飲みに行ったりしてるし‥‥。40ももうすぐそこ、これからはちょっと気をつけなくては‥‥。

「大陸の細道」-木山捷平-

「長春五馬路」の前の話。先日リブロに行ったら「木山捷平全詩集」が再刊されていたので、この機会に手に入れておきたいと思う。

先日、会社のPCが新しくなったので、何かいい壁紙がないかと思っていろいろ探しているときに(今まではチチヤスのチー坊の壁紙でした~)、今年スマーフが生誕50年になるということを知りました。
ウィキペディアによると、ペヨが雑誌「ル・ジャーナル・ド・スピルー」で連載していた、漫画「Johan & Pirlouit(ジョアンとピルルイ)」のなかで、1958年10月23日にスマーフは初めて登場したらしい。そのわりにはスマーフ盛り上がってないのが、ちょっと寂しいです。
10年くらい前は、ちょっとした雑貨屋さんでもスマーフのフィギュアが売られてたし、何年か前に、セーラー出版からコミックが再刊されたときも、いろいろな本屋さんの絵本コーナーにスマーフのポスターが貼ってあって、本よりもポスターが欲しいと思ったりしたのにね。という私ももうほとんど、スマーフグッズは買ってません。フィギュアじゃないものが欲しいと思っているのだけれど、フィギュア以外で欲しいものは高いんですよね。その辺も含めて、50周年記念ということで、秋にかけてケアベアみたいに展覧会やったり、新しいグッズが出たりしないかなぁ~と思っているのだが。

今週のボサノヴァコーナー‥‥

[5]「オーリャ・ケン・シェーガ」-タニア・マリア-
う~ん、懐かしい。ただ懐かしいとしか浮かばない。15年くらい前、サバービアが流行っていた頃、ジョイスとかフローラ・プリムなどと一緒によく聴いてましたね~。この辺も自分では持っていなかったりするので、手に入れておきたいです。
[6]「Embalo」-テノーリオ・ジュニオル-
テノーリオ・ジュニオルのピアノを中心に、サックスやトロンボーンといったホーン、ドラム、パーカッション、ヴィオラォン‥‥など、ビッグバンド編成のジャズ・サンバ。どちらかというとジャズ寄りのサウンドなのだけれど、全体的に軽やか感じなので、デューク・エリントンやギル・エヴァンス、ミッシェル・ルグランといったレコードではなくて、プーチョ・アンド・ヒズ・ラテン・ソウル・ブラザーズとかと一緒に聴きたいかも。ファニアにような純粋なラテンともちょっと違うしね。テノーリオ・ジュニオルは、1970年半ばにアルゼンチンに向かったきり消息不明で、アルゼンチンの軍事政府に暗殺されたともいわれているらしい‥‥。

「枝豆は生意気だ」-池田弥三郎-

先日書いたダニエラに置いてあった雑誌によると、双子座のラッキーメニューはそら豆らしい。そら豆の旬が、4~6月頃の初夏までで、店頭に出回る期間が短いのに比べて、枝豆の旬は、春から4、5カ月と長く、いつまでも食膳にあがる。しかも枝豆は、食べられもしない“さや”のまま出てきて、さやと薄皮2枚むかなくてはいけない‥‥というのが、「枝豆は生意気だ」というタイトルの由来。
今ちょうど、そら豆の旬の時期ということもあってか、そのときに食べたランチのスープが、偶然にもそら豆のスープ(ラッキーメニュー!)だったし、居酒屋のメニューなどでもよく見かけます。そしてそら豆の旬が佳境を迎える頃、梅雨に入って、じめじめした日々がやってくる・・・・。今年は4月、5月と雨が多くて、もう梅雨に入ってるんじゃないの?という雰囲気が漂っちゃってますけどね‥‥(特に週末)。

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで、の5月の企画展は「アラン・フレッチャー:英国グラフィックデザインの父」。日曜日がお休みなので、なかなか行く機会がないギンザ・グラフィック・ギャラリーだけど、ちょうど土曜日の夜、友だちと銀座で飲む約束があったので、雨の中、ちょっと寄ってみました。アラン・フレッチャーは、デザイナー集団ペンタグラムの創設者の1人であり、1960年代からロイター、マンダリン・オリエンタル・ホテル・グループ、ヴィクトリア&アルバート美術館、ロンドン・ロイド社、ダイムラー・ベンツ、アーサー・アンダーセン&Co.などのクライアントの仕事を携わってきたグラフィックデザイン界の重鎮(らしい)。若い頃には、ソール・バスの元で働いたこともあるらしいです。
展示されていたポスターを見ると、ソール・バスやポール・ランドといったアメリカのデザイナー、スイスの構成的ポスター、そしてフランスのポスターにおけるユーモア‥‥がうまくブレンドされたような作品という感じですかね。全体のなかのほんの一部分でしかないにしても、例えばドイツだったバウハウスとか、ロシアだったらロシアアバンギャルドとか、そういうデザインの代表的なムーブメントがイギリスにはないので(私が知らないだけ?アーツ・アンド・クラフツとか?)、イギリス的なデザインというのが、どういうものを示すのかわからないですけど。個人的に、イギリスのデザインというと、スインギン・ロンドンとかパンクとかニューウェイヴとか、音楽と結びついたイメージが強いですね。