「Uncommon Places:The Complete Works」-Stephen Shore-

◆はじめてのはらっぱ祭り
週末は、武蔵野公園のくじら山のまわりで行われていたはらっぱ祭りへ。
わたしははじめてだったのですが、なんともう22回目。もともとは、会場になっている野川沿いのくじら山周辺を公園整備の一環で開発しようとした計画に反対した有志が「はらっぱ」を残そうとアピールするために始めたお祭りらしい。
ちょっと調べてみたら、ヒッピーのお祭りであるとか、そういった流れのバンドが出演しているとか(日本のグレウトフル・デッド!)、書いてありましたが、その辺まったく詳しくないのでよくわからず、ヒッピーというか中央線っぽさのほうが強い気がしました。

-

出店しているお店も、わたしたちが食べたところだけでも、東小金井のインド富士や武蔵小金井のカフェbroom&bloom、アメリカンが雰囲気のMum’sKitchen、国分寺のろばや、アチパンなど近隣のお店が中心。インド富士はちょっと行ってみたかったカレー屋さんだったので、こういうところで食べられるのはうれしい。こうやって並べてみるとけっこうたべてますね。このほかにも揚げパンや綿菓子なども食べたし‥‥。
-
インド富士のキーマカレー
-
ろばやのワッフルとコーヒー

加えて、どろんこ友の会、はははカフェ、小金井給食研究会といったボランティアの方々が出しているお店やマットケバブ、クントゥルペルー、パレスチナ・カフェ、ケニカのタイカレーなど、いろいろな国の料理のお店が出ているところが、ヒッピー的なところを引き継いでいる、と言えるのかもしれません。
-

場所が場所なだけに圧倒的に小さな子どもを連れた家族が多くて、くじら山を駆け上がったり駆け下りたり、ライブにあわせておどったり、シートを広げて食べ物をほおばったり、みんな思い思いに楽しんでました。うちの子なんてはしゃぎつかれて引き継いでいる昼寝までしてましたから。
何年かしたら、遊びに行くだけではなくて、フリマに出店するなど参加したいですねー。

「Instant Light:Tarkovsky Polaroids」-Andrey A.Tarkovsky-

◆たばこ代で本を買おう~!
10月に入って禁煙を始めて1か月。なんとか続いてます。
9月の初めくらいから本数を少しずつ減らしていって、連休の頃には1日に3本くらいになっていたし、そのあとタイミングよく?風邪をひいてそのまま禁煙になだれ込んだ感じなので、普段はもうそんなに吸いたいとは思わないんですが、一人で喫茶店に入ったり、ご飯を食べたりしてると手持ち無沙汰になってしまいます。
まぁよく考えてみれば20年以上続いてる習慣なわけで、それを1か月で切り替えるというのは無理があるわけで、時間がかかるのはしょうがない。だいたい食べるとか寝るとかそれをしないと生きられないということとか、歯を磨くとかお風呂に入るといった生活に関わること以外で、20年以上も続いている習慣なんてたばこ以外ないんじゃないかと思いますしね。

1か月経った現状の感想としては、特にメリットはないなぁ。という感じかな。よくたばこをやめた人が、「ご飯がおいしくなった」とか「味の違いがわかる」とか「肌がきれいになった」とか‥‥人によっては「なんかやめてよかったことしかない」なんて言ったりしますが、わたしは今のところ、たばこ代が浮いたほかにあんまりメリットを感じてないです。

というわけで‥‥(ある意味ここまでが前置き)、そのメリットをもっと味わうために、1か月分のたばこ代と自分へのご褒美としてアマゾンで写真集を購入!
というか、去年くらいから、なかなか展覧会にいけない分、月に1冊以上は写真集やデザイン本を買おうと思っていので、そのための本代を節約していると自分では思うことにしました。

今月買ったのは、このタルコフスキーの「Instant Light」とスティーブン・ショアの「Uncommon Places」の2冊。「Instant Light」は、サブタイトルにもあるようにポラロイド写真を収録したもの。ロシアとイタリアで、1979から1983年にかけて撮影されたとのこと。映画とは特に関係あるわけではなく、日常の風景が撮られているのだけれど、どこか映画の一シーンのような気がしてしまうのは、わたしの先入観のせいかもしれません。

「はる・なつ・あき・ふゆ」-外村繁-

◆立川の“gallery SEPTIMA(セプチマ)で“みんな丘へ vol.1”というイベントを行います~
11月14日(日)に立川の砂川七番“gallery SEPTIMA(セプチマ)”というところで行われる“みんな丘へ vol.1”というイベントに参加することになりました。作品の展示やおやつ・ごはんといったフードの販売、ワークショップなどに混じって本を販売します~。準備とかまったくしていませんが、料理本を中心にサイトにあげていなかった絵本なども持っていく予定です。
前回、恵比寿のクリップでイベントをやったのが2007年なので3年ぶり。その間に漣くんも生まれたし、あと3年くらいはイベントなんてできないな~なんて思っていたので、ちょっとワクワク。先日、いっしょに参加するメンバーとセプチマで打ち合わせをしたのですが、おもしろい人ばかりで当日が楽しみです。あと、セプチマ自体もものすごくいい場所なので、かなりのんびり楽しめると思いますので、ちょっと遠いけど皆さん遊びに来てくださいね~

みんな丘へ vol.1 →大きなフライヤー
11月14日(日)
砂川七番 gallery SEPTIMA(セプチマ)
出店者/
太陽堂(焼き菓子)、アグネスパーラー(飲み物)、西淑(絵)、小沢利佳(写真)、
カルン(from鳥取)、関田孝将(金属)、片岡仁美(布もの)、渡邉知樹(絵、内装)、カヌー犬ブックス

~当日の内容をチラリご紹介~
▲関田孝将ワークショップ 金属のうつわを作ろう!参加費500円(先着順)13時~/15時~の2回あり。
▲渡邉知樹 ピアノ即興ライブ 14時ころ~
▲18時~22時くらいまで 何が起こるかお楽しみのドキワク☆パーティ!!
他、ハタノ=コンスタンティンによる生ラジオなど 楽しいイベントあり!

 みんな丘へ!!!
 みんな!集合!!!!

みんな丘へ vol.1
チラシデザイン 渡邉知樹
(助っ人 小沢利佳)

※チラシのカルン紹介文に誤りがありました。
正しくはこちら→鳥取にある小さな食堂カルンです。中野にあるカルマというお店でずっと働いていました。生まれたまちに戻ってお店を始めました。遠くに行って、いろんな人に会いながら料理を続けていきたいです。

「植草甚一読本」-植草甚一-

◆あー、なんか気がつくと週末に近づいてしまっている感じなので、先週末のできごとをつらつらと‥‥

●秋になるとなんとなくイギリスのロックバンドが聴きたくなる。去年はアラン・ボウン・セットとかマンフレッドマン、ズート・マニージョージ・フェイム‥‥といったオルガンとかが入った1960年代のビートバンドを聴いてました。今年はめずらしくストレートにクラッシュとかダムド、バズコックス、ボーイズ、アンダートーンズ‥‥などのUKパンクを聴いてたりします。でも結局のところ、ジャムの「イン・ザ・シティ」が一番かっこいいんじゃないか!なんて思ってしまったりして‥‥。

●そういう流れだから、というわけではわりませんが、金曜の夜、武蔵小金井の北口にあるイングリッシュパブARROWSに寄ってみた。1階はまぁまぁいい感じのパブなんですけど、2階に上がったら、まったく雰囲気の違うダーツバーになっててちょっとびっくり。まぁそれはいいとしても食べものがフィッシュ&チップスとか一人で食べるには量が多いものが多くて、帰りがけにご飯ついでに立ち寄って‥‥という感じではないですね。まぁイングリッシュパブなんで、そこに期待するのが間違ってるんでしょうけど。

-●新しく買った自転車に漣くんを乗せて、調布の飛行場までサイクリング。いやサイクリングというには近すぎか?わたしが調布に住んでいてよく飛行場まで遊びに行っていたのは15年以上も前、スタジアムもなかった頃なので、周辺があまりにも整備され、きれいになっていて、どことなく落ち着かなかないような‥‥。プロペラカフェでシフォンケーキを食べながら、漣くんに窓越しに飛行機を見せたりしたのですが、いまいち興味があるのかないのかわからず。飛行機を見るよりも公園で遊んでるほうがまだ楽しいみたいです。

●今回は通り過ぎただけになってしまいましたが、調布飛行場に隣接している武蔵野の森公園は、周りにある公園と比べるとそれほど大きくはないし、特になにがあるというわけではなく、ただなだらかな丘にそって芝生が広がっていたり、花や木が植えてあったりするだけなのですが、飛行場を見渡しながらのんびりできてよさそうな公園だったので、次回はシートやお弁当を持って遊びに行こうと思っている。といっても、今年は急に寒くなってしまったし、もうピクニックとかに行く機会もないのかもね。

●日曜はもみじ市へ、わたしはけっこう“~市”って名のつくイベントに出かけてると思うんですが、もみじ市は、場所が調布の多摩川河川敷ということもあって、出店しているお店も多いし、ライブやパレードといったイベントも盛りだくさん。当然、人もいっぱいで、食べものを売っているお店はどこも長い列‥‥。で、思っていたほどには食べたり飲んだりできなかったけれど、おやつを食べながら高野寛のライブを見たり、漣くんにフェイスペインティングをしてもらったり、カメラを見たり‥‥なかなか楽しかったです。来年は作戦をいろいろ考えてまた行きたいですね。

-
お芋とりんごの恋するおやつ

「わたしのいるわたし」-池田弥三郎-

◆「オハナミ」ライブatスーパーデラックス
スティールパンのCDというとたいていが“スタンダードソングのカバー+α」といったものがほとんどで、そこから抜け出しているものはあまりないんじゃないかなぁと思う。それはそれで好きなのでいいんだけれど、結局のところ、スティールパンの音楽として新しいものを提示してくれたミュージシャンといえば、ヤン富田とリトルテンポに尽きるのではないか、なんてことを考えたりしていたら、夏前くらいに、ミーモというバンドを知り、まぁミーモに関しては装飾が過多な気がして、自分の中の評価を保留にしているんだけれど、そこでスティールパンを担当している町田良夫のソロがヤン富田とは違うスティールパン+電子音楽なサウンドではまってしまっている、
いや、いろいろ聴いているつもりになっても、まだまだ知らないところで聴くべきミュージシャンがいるものなのだな、と。

-このオハナミは、その町田良夫とジム・オルークやカヒミ・カリィのバンドでドラムを担当している山本達久のデュオ。
10月の始めに出たファーストアルバムをこのところよく聴いているのだけれど、スティールパンや電子音といった町田良夫の世界と、山本達久による複雑で緻密、だけれど、軽快なリズムが絶妙にブレンドされていて聞き飽きない。
数曲をのぞいてゲストもなく、音を重ねることもなく、二人の演奏がそのまま録音されているようではないかと思うのだけれど、どうなんでしょう。空間を埋め尽くすような音像ではなくて、あくまでも音の数は少なめなんだけれど、極めは細かい、という感じが心地よいのです。

で、先週末にちょっとライブの情報を調べてみたら、なんと会社から近い、しかも前から行ってみたかったスーパーデラックスで20日にやるのこと。これは行くしかないでしょということで行ってきましたよ。初スーパーデラックス。
ちなみに「Cinematic Voices」というイベントで、出演者は、オハナミ、Yukitomo Hamasaki+shotahirama、okamotonoriaki、Jun kawabata+Hideki Atakaで、オハナミ以外まったく知らずだったんですけどね‥‥。

ライブではアコースティック?なスティールパンと電子スティールパン、そしてマックが置かれ、電子スティールパンからはピアノやギターの音が出るというセットで、CDで演奏されていたピアノやギターの音が実は電子スティールパンだったことが判明。つか電子スティールパンなんてものがあるなんて始めて知りました‥‥。
対する山本達久のドラムも、空き缶や鉄の棒やらはドラムセットの上に置かれ、それらのものをすごい速さで叩いたり、振り回したり、挙げ句の果てには投げたりするという、超絶なドラミングで、耳と目を奪われるばかり。かといって、わざとらしさや独りよがりなところはまったくないし、ほかの演奏をじゃまするようなうるささもなく、きちんと全体のサウンドに絡んでいるところがすばらしい。

複数の出演者が出るイベントなのでそんなに長いセットではなかったのですが、この演奏を、ゆったりとした空間の使い方をしているスーパーデラックスで、しかもこの観客数で聴けるなんてかなり贅沢だったのかも!?

「海のある窓」-檀一雄-

◆saute cafe 14~小さな森のマルシェ~
土曜日に降り続いていた雨がやんだので、連休の真中の日曜は、仙川にある森のテラスでやっていサウタカフェに行ってきました。

サウタカフェは、森の中でお茶と音楽を楽しむというイベントで、手作りの石鹸や帽子、かばんといった雑貨のお店が出店していたり、秋田にもある森のテラスでとれたお米で作ったおにぎりや自家製酵母パン、タルトなどもあり、部屋の中をはじめテラスや庭など好きなところでごはんやおやつを食べながら、友だちやお店の人としゃべったり、ライブを見ることができます。
去年行ったマザーディクショナリーのイベントのときもそうだったけれど、割と子どもや赤ちゃんを連れてきている人が多いので、ちょっとくらいだったら泣いたり、大きな声を出しても大丈夫(?)。とはいっても最近の漣くんは人見知りが激しいので、見知らぬ人に囲まれたりすると、もう大泣きなんですけどね‥‥。

-
わたしが食べた手づくりのお味噌を使ったおにぎりと
チーズパン、キーマンという種類の紅茶。

最後までいれなかったので、わたしが聴いたバンドは、アイリッシュ音楽を演奏する花鳥風弦と、はなうたサーカスのメンバーをバックに従えたwool stringsの2組だけ。
どちらも森のテラスとい場所やイベントの雰囲気にとても合っていて、文字どおりテラスに座ってパンや紅茶を飲みながらのんびりできました。使われている楽器も、花鳥風弦はバイオリン(フィドルと言ったほうがいいのかな)やアコースティックギター、バウロンという打楽器、wool stringもアコーディオンやピアニカ、鉄筋などで、全体的にやわらかな音色のものがおおかったですしね。

-
ライブ準備中のwool stringのみなさん

「マリアの空想旅行」-森茉莉-

◆ちょっと前のことになってしまいますが、連休は館山の保養所へ
8月、9月はちょっとがんばって雑記を更新していたのですが、ちょっと気を抜いたら10月。やっぱり連休があったりすると更新だけで精一杯になってしまいますね。加えてお休み明けに熱を出して寝込んでしまったりしたし‥‥。

今年の9月は、お休みが微妙に飛び石になってしまいましたが、わたしは24日にお休みをとって、3連休→4連休。3連休の時はまぁ普通にニチニチ日曜市に行ってみたり、吉祥寺を散歩したりという感じで過ごして、その後の4連休は一泊二日で館山にある会社の保養所に行ってきました。が、ちょうど台風が来ていた時期で大雨、大風という有様。行くときはちょうど雨も止んでいたので、家から干そうジョまでの移動に関してはよかったのですが、保養所に着いてからは建物からまったく出られず、室内プールで泳いだり、温泉に入ったり、廊下を走り回ったりという‥‥。夕方に雨が小降りになったのを見計らって、一度、目の前の海まで散歩してみたのですが、風が冷たくてすぐに戻ってきてしまいました。海もめちゃくちゃ荒れてましたしね。車での移動ではないので、もともとそんなにいろんなところに行く予定ではなかったけれど、6月に軽井沢に行ったときも小雨がぱらついていたし、なんだか最近、天気に恵まれてないです。誰の行いが悪いんでしょうかねぇ‥‥。

「おもちゃ箱」-庄野潤三-

◆庄野潤三の一周忌を前に‥‥
庄野潤三が亡くなって21日で1年が経ちますね。1年前はまだ杉並に住んでいて自転車で西荻の古本屋を回っていたらミオ犬からメールが入って、庄野潤三が亡くなったことを知ったのだった。
で、なんか興奮して普段なら絶対にお店の人に話しかけることなんてないのに、音羽館で本の会計をしているときに、「庄野潤三さんがなくなったみたいですね」なんて話しかけたのをおぼえてます。音羽館はよく店員に話しかけてる人がいるお店だけど、通いはじめてちゃんとした言葉を交わしたのはそのときだけ。まぁそんなもんです。

そんなわけで、8月の山口瞳に続いて、今月は庄野潤三の「おもちゃ箱」。この本は、“危険”をテーマにした連作短篇集。“危険”と言っても庄野潤三のことなので、“背筋が凍るような体験”とか“取り返しのつかない一線を越える瞬間”‥‥といった描写ではなく、あとがきで本人が書いているように、あくまでも「さかやかな日々の営みの中にあって、危険であるが故に常に活気とおかしみ、慰めをもたらしてくれるような危険」であって、鈍感なわたしには、どこに“危険”があったか分からないような作品もあったりします。あと連作短篇と言われても、庄野潤三のほとんどの作品は“連作長篇”なんじゃ‥‥と心の中でツッコミを入れつつ、でももうそんな連作の続きも読めないのだな、なんて思いながら読んでました。

わたしは、2000年代に入ってから庄野潤三を知って、初期のころの作品と最近の作品を同時に読み始めたので、どうしても緊張感というか、やわらかな中にも張りつめたものを感じる初期の作品にひかれてしまうのですが、今になって思うと、自分の愛するものを宝物にようにして残しておく、というのも作家としての一つの道ではないかと思うし、また、もっと早くに庄野潤三の本に出会って、遠い親戚から届く長い手紙のような素直な気持ちで、最近の作品を読むことができたらよかったのにと、今さらになって後悔してます。

「William Eggleston 2 1/4」-ウィリアム・エグルストン-


今年の夏は、品川にある原美術館と谷中のギャラリーSCAI BATHHOUSEで、ウィリアム・エグルストンの展覧会が行われていたので、タイミングが合えば見に行きたいな、と思っていたのですが、予想していたとおりそんな機会もなくて、夏はおしまいになってしまいました。
そのかわりと言ってはなんですが、秋になって涼しくなってきたので、昼休みに六本木のツタヤまで歩いていって、初期の作品をまとめた「2 1/4」を購入。なんでツタヤか、というと、単にTポイントが5000円分貯まったので、それを使いたかっただけなんですけどね。おかげでかなり安く買えたので、今月はもう一冊くらい写真集を買おうかな、なんて思ってます。

ウィリアム・エグルストンは、1939年アメリカ南部のテネシー・メンフィス生まれの写真家で、最初期の頃はモノクロで撮っていたようですが、1960年代半ばからカラーに転向し、1970年代以降はカラー写真の表現に新たな可能性を切りひらいた写真家として評価されています。被写体としては、生まれ育ったアメリカの南部の風景が多いのですが、今回の展覧会の中心になった京都やパリのほか、ドイツやロシアなどのヨーロッパ各地やアフリカなどの作品も残しています。

ちなみに、プライマル・スクリームは、アメリカ南部のサウンドに傾倒したアルバム「ギヴ・アウト・バット・ドント・ギヴ・アップ」をはじめとして、いくつかのシングルでジャケットの写真にエグルストンのの写真が使われています。あとビッグ・スターや亜レックス・チルトンのレコードジャケットでも使われているらしいのですが、実際にレコードがないので未確認。いつかそれらのオリジナルプリントも見てみたいと思っているのですが、今回の展覧会では展示されたのでしょうか?

さて、この「2 1/4」は、エグルストンがモノクロからカラーに転向して間もない1966年から1971年にかけて制作された作品集で、アメリカ南部の日常風景を、やわらかい独特の色合いで表現しています。色彩については、プリントの工程によるところが大きいみたいで、1970年代までは、ダイトランスファープリントという、処理過程が複雑で、高度な技術を必要とする特殊な手法でプリントしていたようです。

しかしそんな特殊なプリント工程を経て、作りあげられた色彩も、デジタルの時代では、それっぽいものが簡単に作れてしまうんですよねぇ。いくら写真が複製の芸術といってもオリジナルのプリントはあるわけだし、それとまったく同じものを印画紙に焼き付けることは多分できない(できるのかな?)。
それを考えると、元のデータがあれば、明るさや色調、コントラストなどを変更したり、さらにフィルターなどで効果を加えたり‥‥といったことが簡単にできてしまい、かつ本当に同じものが何枚も制作できるという状況のなかで、今の写真家たちはどのような方法で写真を撮り、それを作品として仕上げていくのか、知りたくなってきます。

というのも、先日、自分で撮った写真をスキャンしてFlickrにアップしていることを書きましたが、スキャナーの性能が悪いせいもあるのですが、フィルムではなくて紙の写真を普通にスキャンすると、やはり、紙とは違う色合いになってしまう。なので、そのあと元の写真に近いと思われるくらいにフォトショップで補正をしているんですが、それを何枚か行っていると、だんだんどれが基準なのかわからなくなって、だんだんエスカレートしてしまって、“撮れた”写真の内容に近づけるつもりだったのが、“撮りたかった”写真に近いように修正してしまうのですよ。でももうそれがいいのか悪いのかさえわかんないです。だいたいデジカメの場合、シャッター押した時点で補正されちゃうでしょ。なんかね、今さらですが、デジタルによっていろんなもの概念が壊れていく今日のこの頃。

「港の風景」-丸岡明-

◆国立北区商店街のワイワイ祭へ行ってきたよ
丸岡明についてはまったく知らなかったのですが、三月書房の本ということでなんとなく「おもちゃの風景」と一緒に買ってしまいました。ウィキペディアなどによると「慶應義塾大学仏文科卒。在学中、水上滝太郎の知遇を得て、『三田文学』に『マダム・マルタンの涙』を発表してデビューした。堀辰雄に師事。。能楽の普及と外国への紹介にもつとめた」とのこと。
この本に収められているのは、大きく分けて身辺雑記風の随筆やヨーロッパ旅行の印象記、永井荷風や久保田万太郎、谷崎潤一郎などについての軽い作家論の3種類とっていいかな。
晩年に近い時期の随筆集なので内容的には回想録が多く大きく特色のあるものではないけれど、うまく言えないけれど文章から受ける雰囲気がよかったので、またどこかで見つけたら読んでみようと思ってます。

土曜は国立の北区商店街でやっていたワイワイ祭に行って来ました。
「ワイワイ祭り」というとリトルテンポのやっているイベントと同じ名前なのでややこしい。国立なだけに最初は関係があるのかなと思っていたのでけれど、どうやら関係はないらしいし。ちなみにリトルテンポのほうは送りがなに「り」がつきます‥‥。
さて、こちらの「ワイワイ祭」は、古道具店のレットエムインや、手作りソーセージで有名なノイフランクなどが軒を連ねる国立駅から少し離れた住宅街に囲まれた小さな商店街でのお祭り。
商店街のお祭りなので、子ども御輿や和太鼓の演奏があったり、どじょうすくいができたり、ピエロが登場したりと子ども向けの企画がある一方で、エバジャム、クエブー、瀬戸口しおり、たいやきやゆい、TAIYODO、出茶屋、ポチコロベーグル、ラマパコスといった、普段ニチニチ日曜市に出店しているような人たちが出店しているのがうれしい。
といっても、わたしは、最初にラマパコスのカレーを食べてしまったため、なんとなくお腹いっぱいになってしまったのと、暑かったので、ビールを飲んだり、かき氷を食べたり‥‥と、おやつ的なものをたくさん食べたり、お祭りをじっくり楽しむという感じではなかったんですけどね。まぁ国立に住んでいる友だちと合流したりして、それはそれで楽しかったんですが‥‥。