「父の時代・私の時代」-堀内誠一-

■商業美術家、多田北烏の弟子だったという図案家の父親のアトリエでの話から、戦後、カメラメーカーのPR誌「ロッコール」のデザインを担当した時代や「アンアン」などの雑誌のエディトリアルデザインを担当した時代、そして絵本についてなど自身のことをつづったエッセイ。父親や周りの人の影響が大きかったとはいえ、堀内誠一がいかに早熟だったってことがわかります。そしてこれが書かれたのもまだ40代だしね。

■堀内誠一の名前を意識するようになったのはいつだったのか、はっきりとは覚えてません。子どもの頃好きだった「くるまはいくつ?」や「たろうのおでかけ」そして「ふたごのでんしゃ」といった本が堀内誠一と知ったのもかなり大人になってからだし、ちゃんと絵本を集め出したのも、子どもが生まれてからになります。多分、子どもたちが大きくなったら、また買う機会もなくなってしまう気がするので、今のうちにいろいろ見つけておきたいと思う。本によって画風が変わるので、子どもたちが気に入るかどうかについてはわりとわかれるんですが、いつかこれらの本が同じ人によって描かれたものということに気づいてくれるのだろうか。

-■今年は何年かぶりに近所の農工大の学園祭に行ってきました。農工大の学祭は、野菜の直売があったり、学生の出している出店の食べものも鹿の肉の串とかあったり(写真は牛肉です)、大学で作っている食材を使ったお菓子があったりして、なんとなく大学を歩き回りながら、ビールを飲んだり、食べ物を食べているだけで楽しい。今回は確認しませんでしたが、大学内で作った日本酒とかもあったはず。校内なら子どもたちを勝手に遊ばせていてもある程度安全だし、アメリカンミニチュアホースの馬車に乗ることもできるし‥‥
と思っていたのですが、実際は、子どもたち、とくに上の子が、昆虫や動物の生態についての展示やプラネタリウムなどに夢中で、校内と歩き回るのに忙しく、そんなにのんびりという感じでもなかったです。幼稚園くらいになるといろいろ興味が出てくるんだなと思った次第。展示の周りにいる学生も、たいしてわかっていない子ども対してに星についてゆっくり説明してくれたり、顕微鏡の見方を教えてくれたりやさしい人が多かったですね。

-■春くらいからなんとなく週に2回くらい、6時くらいに起きて8時くらいに会社に行くようにしていたのですが、最近は、6時に起きるとちょっと薄暗くなってきました。駅まで自転車で行くのも寒くてなんだか億劫になるし、そろそろ朝早く家を出るのもおしまいかなと思う。そして今年もクロード・ソーンヒル楽団の「Snowfall」が似合う季節になってきたなと思う。ギル・エヴァンスが編曲をした穏やかなテンポの洗練された曲で、1941年の曲なのにスウィングでもイージーリスニングでもなく、独自の雰囲気を持っているところがいい。アナログ盤でチリノイズが入ったりするとまたいい雰囲気なんだろうなぁ。

-■で、この曲を聴いているとアルビン・トレッセルトとロジャー・デュボアザンの絵本「しろいゆき あかるいゆき」を見たくなります。雪が降ったその一日を雪が降る前、降っているとき、降った後の情景や人々の様子を静かに描写している作品。1948年の本なので「Snowfall」と年代も近い。
ロジャー・デュボアザンは、スイス、ジュネーヴ生まれで、パリで仕事をした後、アメリカに渡ったイラストレーター。子どもにお話を聞かせたりしているうちに、夫婦で童話を書き始めたことがきっかけで、「ごきげんならいおん」や「がちょうのペチューニア」のシリーズや「はる・なつ・あき・ふゆ いろいろのいえ」「クリスマスにはおひげがいっぱい!?」など多数の絵本を出しています(ちなみにアルビン・トレッセルトはおくさんではありません)。
デュボアザンの本は昔から好きで、子どもが生まれる前から少しずつ集めていたのですが、最近になってまた集める速度が速まってきました。でも、わりとテキストが多い本が多いので、寝る前に読むのが面倒であまり読み聞かせとかしてません。いや、この本で言えばわたしが持っているのは英語版なのでそもそも読み聞かせできませんが。