◆クレイジーケンバンドを聴きながら京浜急行に乗って横須賀まで
土曜日は、横須賀美術館で日曜までやっていた「ブルーノ・ナムーリ展」をギリギリのタイミングで見てきました(そのせいか図録は売り切れ)。
ホームページを見たら、横須賀美術館は、横須賀駅からバスで35分とか浦賀駅からバスで15分とか、かなり交通の悪いらしい。なので、直前まで行くかどうか迷っていたのだけれど、思い切って行ってみてよかったです。いや、何よりもすぐ目の前に海があって、海と美術館のあいだには芝生の広場が広がっている、というロケーションがいい。建物自体も全体的にガラス張りになっていて風景と調和している。
実際、展覧会を見た後で、芝生に座って海を横切る船を見ながら、ビールを飲んでいるときが一番気持ちよかったかも。その後、行きたいところがあったので、わりとすぐに帰ってきてしまいましたが、当日は7時から芝生の広場で「赤い風船」の上映会があったので、その時間までここでのんびりしたり、近くを散歩したりして、映画を観て帰るのもいいな、と思いました。
「ブルーノ・ナムーリ展」のほうは、展示のほかにもムナーリの遊具などで遊んだり、絵本を読んだりできるコーナーがあったり、ムナーリのコンセプトのもとで、子どもたちが制作したものが展示してあったり、子どもと一緒に楽しめる展覧会になってました。展示コーナーの紹介文も子どもでもわかるようなやさしい言葉で書かれてましたしね。
手にとってカードを重ねたり、組み合わせたりして、それによって違うものがあらわれたり、絵本でもページの工夫によって見えるものが違ったり、自分で何かしたらのアクションをすることで、元のものとだんだん変わっていったりするというのは、大人でも単純におもしろいし楽しい。しかも、仕組み自体はかなり単純なので、自分のアクションがどういう過程を経て、そういう結果になるのかが、分かるのがいいのではないかと思う。
最近、電子書籍で絵本に音楽や動きをつけることとかが話題になっていたりして、それはそれでおもしろいのかもしれないけれど、なんでここを押すと音が出るのかとか、ここを撫でたらなんで絵が動き出すのかわからないじゃないですか。まして画面を触っているだけなので、感触はないし‥‥なんてことぼんやりと考えたり。
あと、そういう工夫って、簡単なことだけれど、やはり大量生産をするには難しいわけで、既成のものをちょっと工夫するだけで、おもしろくなるんだよ、ってことを親が示して行かなくちゃいけないんだろうなぁ、と思う。実際、ブルーノ・ナムーリは子どもと一緒に遊ぶなかで、ここで展示されているような絵本やおもちゃのアイデアを生みだしていったわけだしね。
前日にラルフ・シュライフォーゲルのポスターを見たときにも思ったけれど、PCの画面でおさまらないものの迫力とか、画面では伝わらない質感とかをちゃんと表現できるちからを持っていないと、PCでのデザインやアイデアもその枠内におさまってしまっておもしろくなくなってしまうのではないかと。よくわかんないですけど。