◆早稲田出身の作家と慶応出身の作家について
みすず書房から出ている「素白先生の散歩」を読んだのはかなり前のこと。この雑記で取り上げていないみたいなので、2003年より前、本が刊行されたのが2001年12月なので、2002年、もう8年も前のことですね。
その時はこれ以外で岩本素白のほんを手に入れるのは難しいだろうなぁ、なんて思っていたのだけれど、先日、たまたまアマゾンで調べてみたら、いつの間にか「素白随筆集―山居俗情・素白集」と「素白随筆遺珠・学芸文集」、「東海道品川宿―岩本素白随筆集」の三冊が出ていたので、とりあえず、読みやすそうな「素白随筆集―山居俗情・素白集」だけ注文してみました。というか、そもそも岩本素白が発表している作品って、2、3冊しかないのだから、ばらばら出さないでまとめて出して欲しいと思うんですけどね。
岩本素白は純粋に作家とは言えないかもしれないけれど、早稲田出身の作家といえば、同じように早稲田で教授を勤めながら、作品を残した小沼丹、稲垣達郎、あるいは坪内逍遥、曾津八一、尾崎一雄、外村繁、有馬頼義、網野菊、江戸川乱歩、尾崎士郎、国木田独歩‥‥などが思い浮かびますが、京王出身の作家に比べると、大学を通しての横のつながりがあまりなくて、むしろ中退してしまっている人が多いので、いまいち括りにくい気がします。
慶応の場合、幼稚舎からあがってくる人は、たいてい東京周辺の人になるし、割と近くに住んでいて(もしくは宿舎で同居して)付き合いが長い分、横のつながりが強くなっているのと、文学という意味では、やはり「三田文学」の影響が大きいのではないかと思う。早稲田も坪内逍遥が創刊した「早稲田文学」があるんですけどね‥‥。
とはいうものの、早稲田は、村上春樹以降、最近の作家として考えると、慶応よりも圧倒的に多い気がしますが、どうなんでしょうね。