「東京の空 東京の土」-鷲尾洋三-

阿佐ヶ谷会の作家の私小説や随筆を読んでいると、どのエピソードを誰についてのものだったのかごちゃ混ぜになってしまう、といったことを前に書いたような気がするけれど、大正から昭和にかけての東京についてのエピソードも、だんだん作者がわからなくなってきてます。特に鷲尾洋三は、三田出身で文藝春秋の編集者という経歴をもった人なので、池田弥三郎や戸板康二、獅子文六、永井龍男など、よく読んでいる作家とのつながりが大きい分、同じではなくとも似たようなエピソードが出てきたりしてちょっと混乱気味。でも、そういった人たちのつながりを確認できるのも、こうした本を読む楽しみの一つでもあるわけで‥‥。

先週末から始まった豆本展は、いろいろなところに取り上げられていたり、会場の場所もよいこともあって盛況なようです。私が当番だった土曜日は、お客さんがとぎれることもなく、時には人だかりになっていたりしてました。わたしもお客さんがいない時間に出品されている豆本を見て、次回の参考にしようなんて思っていましたが、どれもかなり精巧に作られたものばかりなので、とても“参考”できるものではなかったです。う~ん、世の中には器用な人がいるもんだなぁ、なんて思うとちょっとため息が‥‥。