ガラにもない少女小説を読んだのもつかの間、いつものおやじエッセイに戻ります。
昨年、山口瞳の本を3冊しか読んでいないことが判明したので、今年は、将棋や競馬ものを含めて、文庫本を制覇するというのがいちおうの目標。何事もはじめが肝心というわけで、今年の読書は、本棚に置きっぱなしになっていた「礼儀作法入門」から始めてみたのですが(「戦場のガールズライフ」は、年末ぎりぎりに読んだので‥‥)、なんとなく、年の初めに読む本、としては、なかなかぴったりなタイトルかもしれない、なんてことも思ったりしてます。
さて、この本はマナーの解説本ではなく、その解説書の副読本として読んで欲しい、と山口瞳本人は書いているけれど、わたしとしては、あとがきに書かれているように、山口瞳本の副読本としたほうがぴったりくるような気がします。というのは、やはり、山口瞳は偏見の人なのですよ。確かにマナーとして見習わなくてはいけないこともたくさんあるけれど、逆に「それはどうかなぁ」ということもたくさんあるし、自分の経験や意見を書いておきながら、最後に「~ということもあるので、、最近、わたしはその考えを改めている」みたいなことが書いてあったりします。しかも、何冊か山口瞳の本を読んできた人にとっては、どこかで書かれているような主張が目につくだろうし、多分それは、ここで書かれているよりも詳しく、具体例が分かりやすく、そして主張も激しいものに違いなく、明らかにそちらを読んだ方が、エッセイとしてはおもしろいだろうと思う。でもこうやって簡潔な例に対する答えという形で書かれると、全体として山口瞳の主張集みたいな趣が出てきて、「男性自身」などいつものエッセイとは違ったわかりやすさやおもしろさがあります。ファンとしては、ムキになったところがないので、少し肩すかしに感じてしまう部分もあるけれど、逆に気楽な感じが「礼儀作法入門」という堅いタイトルに反しているようでいい。その辺は、「GORO」という「男性自身」とは違う読者層向けの雑誌に連載されたということがよい影響を与えているのかもしれません。
昨日は、夕方まで雨が降っていてしかも寒かったので、ほとんど家の中にいました。普通の週末だったら、無理にでもちょっと出かけてしまうところだけれど、年末年始ずっと天気良かったし、なんて思ってしまうのは、ずっと休みだったし3連休だから。こういう余裕がいつもあるといいのに。そんなわけで、今日は昨日行く予定だった青山ブックセンターでやっている「洋書ビッグバーゲン2007」へ。最終日ということもあって、やはり欲しい本もあまりなく、あってもページやカバーが破れていたりして、がっかり。その後、ナディッフとロゴスギャラリーでの洋書バーゲンも見て回ったのだけれど、結局、何も買わずに帰ってきました。「どうしようかなぁ」と考えてしまう本を買うんだったら、ちょっと高くてもほんとに欲しい本をアマゾンで買ったほうがいい、と思ってしまう。アマゾン安いしね。