「平凡パンチ 大橋歩表紙集」-大橋歩-

クリスマスプレゼント。
1964年から1971年まで、大橋歩が描いた平凡パンチ表紙をすべて収録した本。4分割とかせずに1ページごとに掲載されているのがうれしい。前にも書いたけれど、はじめの頃のアイビールックの男の子を描いたものが、やっぱり好き。描かれている題材や作風もあるけれど、それに加えてこの頃のイラストは、絵自体に勢いがあると思うし、1970年代から1980年代のイラストみたいに画面を塗りつぶしていないということではなく、どことなく隙間ががあるような気がします。なにげに「THE MAGAZINE FOR MEN」のサブタイトルや特集の文字の配置も工夫がしてあったり、特集自体も「カリフォルニア州知事になった俳優の評判=共和党の大統領候補ロナルド・リーガンという男」「クローズアップされた防衛問題=保守・革新の考え方」といった硬派なものから、「熱狂!ザ・ビートルズ帰る」「モッズ(おしゃれ)対ロッカーズ(かっぱ頭)“血の決闘騒ぎ”の真相=全英警察に非常警戒を布かせたイギリス」といったカルチャー、はたまた「20代未婚女性の“生活”レポート」「日本にもあったフリーセックスパーティ」など、「平凡パンチ」ならではというものが多くて見ても飽きません。「特集号・スカンジナビアのすべて」の一番目にくるのが「スウェーデンのポルノ編集部潜入ルポ」だったりするしね。
で、こういう本を読んで育った世代が今、セカンドライフとか言っちゃてるんだろうか、なんて思うと今の50歳以上をターゲットにしたファッション雑誌とぜんぜん変わっていないようで、なんだかなぁ、と思ったりもしますが‥‥。