「KAWADE夢ムック 山口瞳」

去年、発売されたときは「絶対に買わないぞ」と思っていた本。特集がいいといって雑誌やムック本を簡単に買っていると、いつのまにかそういう本がたまってしまって置き場に困ってしまうのが目に見えてるから。そうは思いつつも本屋で久しぶりに見かけたので、また立ち読みしていたら、山口瞳と木山捷平の対談が載っているではないですか。
よく考えてみれば山口瞳の小説って主張は強いけれど、自分のことや自分の周辺のことを描いた私小説がほとんどだし、後年、温泉や競馬場、あるいは絵に描きたい風景のあるところなど、いろいろなところに出かけては紀行文のようなものを書いているところなど、木山捷平と似てると言えなくもない。
これで永井龍男全集の冊子に掲載されていたという永井龍男についての文章が、単行本未収録のものとして収録されていたりしたら歓喜の嵐なんですけどね。「吉田秀雄さんや吉田健一さんが先生をしていた鎌倉アカデミアに入学して・・・・」なんて発言にいちいち反応しながら読んでます。

それにしてもこの「KAWADE夢ムック」って・・・・。名前もすごいけど、白州次郎、色川武大、武田百合子、小林秀雄、渋澤龍彦、梅図かずお、岡崎京子、押井守、クィーン、ボブ・ディラン、ポール・マッカトニー・・・・というラインナップもすごい。一貫性がまったくない。このシリーズのこの安易さがイヤで「絶対に買わない」と思っていたのですよ。ちなみにもう一冊、ミオ犬が買ったやまだないとの特集号がうちにあったりします。

「丘の明り」-庄野潤三-

庄野潤三の本は好きだけれどどうも読んでいると個人的につらい気分になるので、読まないようにしているのだが、帯に永井龍男の推薦文が書かれていたのを見てつい買ってしまった。
電車の中で夫婦者と小さい男の子を連れた母親が話している内容をスケッチしたようなものから、戦時中に中国を旅行した時のエピソードをまとめたものなど、1963年から1967年に発表された短編を収録した作品集で、庄野潤三としてはヴァラエティに富んでいる(という言い方は似合わないけど)といえるかもしれません。
どれも日常的な断片を紡ぎ合わせたような穏やかで静かな作品で、こういう作品を読んでみると機会があれば60年代くらいまでの作品は読んでみようかな、と思ってしまう。

その庄野潤三が監修を手がけている小沼丹の全集が今、未知谷という出版社から刊行されている。全4巻で現在の時点で3巻まで出ている。
私は一人の作家の全集なんて買ったこともないけれど、小沼丹の本は講談社学芸文庫でしかほとんど手に入らないだけにちょっと欲しい、と思って調べてみたら、A5判の752ページもあるかなり豪華な、見た目には辞典のような本で、1冊12000円もしました。う~ん、ちょっと私には無理か。いやたまには清水の舞台から飛び込んでみるか!?見るべきか!?

「ゼラニウム」-堀江敏幸-

台風が近づいているせいで今週も週末は雨が降ったり止んだり、という天気。2日続けて近所から出ませんでした。
ほんとは巣鴨の三百人劇場でやっている「進め!ジャガーズ 敵前上陸」を観に行こうと思っていたんですけど、朝起きてカーテンを開けた途端そういう気もなくなってしまいました。一応昨日の夜、ネットで巣鴨周辺の古本屋なんかも調べておいたのに・・・・。ここのところ週末は福生も含めて中央線沿いしか出かけてません。来週はどこかに行きたいです。

とはいうものの、先週久しぶりに仕事で徹夜をしたら、普段割ときちんと寝ているためか当日はそれほど疲れを感じなかったのですが、やはりいつまでもだるさが抜けなくて、首から背中がどんより重い感じが続いていたので、2日間ゆっくりしてようやく楽になったのでそれでよしとしよう。
来週、堺正章主演の「喜劇 昨日の敵は今日も敵」でも観に行こうかな。どうなるのやら。