「紙のプールで泳ぐ」-片岡義男-

1983年から1985年にかけて「ポパイ」に連載された「片岡義男のアメリカノロジー」から抜粋した本。主に40年代から60年代のアメリカについて書かれた本や写真集から片岡義男が想起される当時のアメリカ像というものについて書いてあります。
でもどこか全体的に80年代的な匂いが漂うのは単に明らかに70年代に書かれたエッセイとは異なる片岡義男の文体からくるものなのか、実際には80年代から見た40年代から60年代のアメリカを見ているという理由からなのかわかりません。

個人的には村上春樹の「THE SCRAP-懐かしの1980年代」をちょっと思い出してしまいました。といっても高校生の時に読んだきりなので内容ははっきりと覚えているわけではありませんが、「THE SCRAP」のほうのイメージとしては、この本とは逆に60年代的な視点で書いた80年代前半のメモ、といった感じかな。なんてかなり適当なこと言ってますけど・・・・。

「雑談 衣食住」-永井龍男-

このところ古本屋で見かけなくなっていた永井龍男の本がいくつか並んでいたので一冊だけ購入。昭和40年代に書かれた随筆をまとめた本なのだが、最近は随筆よりも短編小説の方がおもしろいと思うようになってきたので、こういう身辺をつづったものはちょっとものたりないような気もしたりする。それは永井龍男に限らず吉田健一などもそうですね。尾崎一雄も前回は随筆を読んだけれど短編を読んでみたい。

ところでちょっと気になっているのは、永井龍男の随筆を読んでいると川端康成や小林秀雄といった鎌倉に住んでた作家の名前がよく出てきます。同じように一時期鎌倉に住んでいた山口瞳の本を読んでいても川端康成などとはかなり親しい間柄だったようなことが書いてある。でも永井龍男の本に山口瞳が出てくることはないし、山口瞳の本には永井龍男は出てこない。
加えて山口瞳は戦後の鎌倉アカデミア出身だし、鎌倉文学館の初代館長だった永井龍男も鎌倉アカデミアには関わっていたと思うのだけれど、二人に接点はなかったのだろうか?
それがどうしたというわけではないけれど、二人の本にそういう文章が出てきたらそれだけでなんとなくうれしくなっちゃうんだけどなぁ。

さて今日会社で着れるようなジャケットを買いにバーゲンでにぎわう渋谷に行って来ました。前ほどではないのだろうけれど、週末だけあってさすがにすごい人でした。それにしても今ってどの店でも7月1日からセールなんですね。「ここはデパ地下の食品街か!?」と思うくらい店員が大声を上げていてびっくりです。けっこう探しまわった割には結局合うサイズがなくてなにも買いませんでしたけどね。Sサイズのジャケットって全然ないんですよ。試しにMを着てみたら大きすぎて店員にも笑われてしまいました。
そんな感じで目的は果たせませんでいたが、渋谷ではオ・タン・ジャディスではちみつづけのジンジャーとレモンクリームのクレープを、夕飯は下北に出て野田岩でうなぎを食べ大満足!最近なんだかおいしいもの食べてますよ!