「groovy book review」

ちょっした本棚のなるようなカフェに行くとたいていこの本が置いてあって、見つけるたびに気になるところを読んだりしていたので今さら読んでも新しい発見はないのだけれど、ブックオフで105円で売られていたのでつい買ってしまいました。ときどきテレビなども見ながらパラパラとめくってみるのもいいかも。
とはいっても私は珍しいからといって本を集めたりするようなコレクターでもないし、ヴィジュアル本を買い漁っているわけでもないので、ここに出てくるような本を買うことはほとんどないし、あまり欲しいとも思わなかったりします。でもページをめくっているとそういう風に本を買うというのもいいかもね、なんて血迷ってしまったり・・・・。

ほんとうはこういう本はそこに載っている本をいちいちチェックして古本屋をまわったりするのではなく、載っている人たちのコメントなどをみて「そういう本の読み方や探し方、集め方があるのね、ふんふん」てな感じでうなずいていればいいのだ。で、それだったら僕はこんな風に本を読もうという方向が決まればいいわけで、前回と同じですが、それはレコードがいっぱい紹介されている本でも同じなのではないかな。なんて言えるのは僕が歳をとったからで、20代の頃は雑誌に載っているレコードのジャケットを穴があくほど眺めて記憶してはレコード屋さんで探したりしていたので、今さらそんなこと偉そうに言えませんね。っつうか単なる広い部屋に住めないという悔しさからの負け惜しみか?

さて、このカヌー犬ブックスも2年目を迎えてるわけですが、一応一年続いたことだしちゃんとしようというわけで、警察署に行って古物商の申請を行ってきました。8月の初めまでには申請が許可されるはずなんですが、許可されなかったらどうしましょうかねぇ?

「苺酒」-尾崎一雄-

西荻のいつもよく古本屋さんで本を眺めていたらその日に限ってなぜかタイトルを含めてなんとなく気になってしまったのだけれど、どういう人なのか全然わからないので今度までに調べておこう、なんて思っていたら、たまたまそのときに読んでいた木山捷平の「茶の木」という短編にその名前を見つけてなんだかもううれしくなってしまった。そして我慢できずに次の日に買いに行ったという次第。
日本の作家の小説を読んでいると、同じ同人誌の仲間だったり恩師、弟子の関係だったりしてつながりが広げやすい。でも同じ仲間だからといってそのどれもがおもしろい作品であるとは限らなくてときどき失敗したりするけれどね。そういう意味で一番最初に読む本というのは大事。まぁそれは本に限ったことではなくてレコードとかを買うときもそうですね。

週末は久しぶりに我々のライブに行って来ました。前に行ったのは2年くらい前?わからん?阿佐ヶ谷の音楽室みたいなところだったはず。最近は高円寺の無力無善寺というところでしかライブをやっていないのでなんとなく行きにくかったのです。今回はビークルヒダカ氏&カトウ氏のGallowが対バンで出るので、去年、野音で買ったビークルTシャツを着て見に行く。
無力無善寺は想像していたとおりというか想像以上の高円寺らしいところで狭いスペースに人がぎゅうぎゅう詰め状態。とは言いつつ我々の番になる頃には、前にから2番目。しかも一番前の人は座っているというベストな場所で我々とGallowのライブを楽しんできました。Gallowはアコースティックなセットだったせいもあって、ヒダカ氏メロディの良さを痛感しました。でも立ち位置的に私の目の前がヒダカ氏というのはどうだったのか!?
帰りに我々のCDRを3枚買って帰る。2曲入りなのでこれを一枚のCDRに焼き直してミニアルバムにするつもり。

「乞食王子」-吉田健一-

初期の頃の気ままに書かれた随筆集。それぞれの文章の長さも短いものが多いし、長いセンテンスや句点の省略などといった特徴が確立されていない分、全体として読みやすい随筆集になっていると思う。随筆ということもあるし「吉田健一の本を読んでみたいけれどどれを読んでいいのかわからない」という人にはこの本から読むことをオススメします。

表参道の糖朝で飲茶をする。ここは休日この辺を歩いていると、店の前に行列ができていてなかなか入る機会がなかったところ。一回入ってみたかったんです。
杏仁豆腐や小豆入り仙草ゼリー、カスタード餡入り揚げ饅頭といったデザートや大根餅やチャーシュー入り饅頭などの点心を食べる。どれもおいしい。また行きたいけどいつ行けるかなぁ・・・・。

そのまま小雨の降る中、LonsdaleやMILKFEDに寄ったり久しぶりにスヌーピータウンに入ってみたりしつつ、原宿を経由してSHIBUYA-AXのスネオヘアーのライヴへ。思ったよりも歌はうまいし、ストレートなギターサウンドを中心にしつつフェンダーが入るちょっとメロウな感じの曲があったり、MCも意外とおもしろかったりしてよかった。
それにしてももう歳ですか、最近はスタンディングのライヴは疲れます。でも2階には行きたくないわけで。

「ブルーノ・モングッツィ」

こんな機会(どんな機会?)もそうないので平日の昼間っから代官山→中目黒→神泉というコースを歩く。いろいろ目的もあるのだけど久しぶりにマンゴスチンカフェに行ってみようと思ったのだ。
ここは前の会社の近くだったので週に2、3回は休憩代わりにお茶しに行っていたカフェ。カプチーノがおいしかった。でも歩くと中目黒から20分、神泉から15分あるし、まわりには小学校があるだけなので、その会社を辞めた後は行く機会がまったくなくなってしまっていたのです。
さて暑い中、目黒川沿いを歩いていってようやく到着すると、店自体の感じがかなり変わっていてびっくり。奥にあった座敷もなくなってるし、その隅に置いてあった2つのターンテーブルが店の入り口の方に移動して主役っぽくなっていて、そのまわりはちょっとしたフロアみたいになってる!そしてせっかく行ったのに15時から18時まではお店を閉めてるって!?あぁ!!「今度これを持ってきてくれたらドリンク1杯タダになりますから」とフライヤーをくれたのですが、今度行くときっていつになるのだろうか・・・・。

しょうがないのでそのまま渋谷に出ようかと思い、とりあえずジャーマンファームグリルでコーヒーを飲む。ここも昔、通っていたときとは店の様子がちょっと変わっていて(サッカーを観戦するために液晶のテレビが2台置いてあったり・・・・)、しかもドリンクがアルコールもソフトドリンクも含めて全部500円。前は普通より濃いジャーマンコーヒーが160円で飲めたのになぁ。

と、期待はずれだったことばかり書いてますが、いろいろ歩き回ってけっこう楽しい一日だったです。

「白兎・苦いお茶・無門庵」-木山捷平-

特に意味はないのだけれどできるだけ講談社文芸文庫ではなくて木山捷平とか井伏鱒二の随筆とか吉田健一の本を読みたいと思っているのだけれど、その講談社文芸文庫でさえちょっと前に出た本はなかなか見つけることができないくて、なんだか中高生をターゲットにしたような恋愛小説を山積みにするんだったらもっと置いておくべき本があるんじゃないかとつい思ってしまいます。

基本的に満州からの引揚者の戦後の生活を描きつつ、作者とニアリーイコールの主人公とその奥さんの軽妙なやりとりや主人公の真剣だけれどどこかおかしげな行動というユーモアを包み込んだ作品集で、そのなかに時おり「政府と泥坊は小物ばかりねらいやがる」とか「戦争当時の軍部や官僚への批判や「絶対という文句を使っちゃいかん。わしはこれでも戦争に行って来た男だ」などといった言葉が出てきたりして、全体が情緒的である分ドキッとさせられます。

「迷惑旅行」-山口瞳-

山口瞳が月に一回ドスト氏を絵を書くために、網走から松江、佐賀など日本の各地に赴いた際の紀行文集。
行き先が決まるともちろん出版社の担当者が綿密に旅行のスケジュールや宿泊先を決め、さらに目的地周辺に住む人々が次々と現れていろいろなところに案内してくれる。そんな様子を山口瞳は「どうしていいかわからない状態=迷惑」と思いつつ、そういった人々の好意を素直に受け入れている。

なので紀行文といっても例えば田中小実昌が書く紀行文とは全然趣が違っていて、それは単に置かれた環境や状況が違うだけのことで、どちらがいいとか悪いとかではなくて、山口瞳も多分一人でぶらりといった田中小実昌みたいな旅をしてみたいと思っているのだろうけれど、性格的にそういうことができないこともわかっていて、その中で最善を尽くそうとしている様子が文章からものすごくうかがえたりするわけです。
そういう意味ではさまざまな状況に振り回されて落ち込んだり体調を悪くしたり、逆にいい気持ちになったり楽しく盛り上がったりする一行の様子はおもしろいけれど読んでいるとちょっと疲れるような気がする。でもそれはこの本に限らず山口瞳の本全体に言えることで、それほどイヤな疲れではない。

「内緒事」-里見弴-

レコードやPCの収納兼机代わりになる棚を2つ作りました。これでもう少し整理すれば箱に入って積んであったレコードが片づくはず。
日曜大工なんて年に一回くらいしかしないけれど、そのたびに思うのは作ってみないとどのくらい強度があるのかわかないと言うこと。本などをみて作っているわけではなくて、適当にイメージ図を書いてそれを元に作っていく方法なので、たいていの場合なんだか頼りない感じのものができあがってしまいます。
原因は、はっきり言って木材をケチってるから、だと思う。だって車を持ってないので郊外のホームセンターなどに行って安い木材を買ってくるって事もできないし、たいていは吉祥寺のユザワヤで買うのだけれど、買った木を手で持ってこなくてはいけないんだもの。いくらユザワヤが駅に直結してるって言ったってねぇ・・・・。手で持ってこれる木材なんてたかが知れてます。

で、できあがった頼りない感じのものをどうするかというと、結局外からネジを打ち込んだり、金具を追加したりするわけなんですが、そうすると(当たり前ですが)どうも外観的に汚くなってしまって、納得がいかないものが完成するわけなんですよ。しかも自分の家で何かを作る場合、2つ以上同じものを作る事って基本的ないので、その「納得のいかない」ものを作り直したり改良したりする機会はないわけです。

でも今回は45×90cm、高さ80cmの棚を2つ作ったので、1つ目の反省点をできるだけ取り入れて2つ目を作ることができました。なので、2つ目に関しては久しぶりにかなり満足できるものができました。その分、一つ目に関しては作り直したい気分でいっぱいなんですけどね。2つ目の反省点を生かして3つ目を作ったらもっといいものができるのに、と思ったりして。
まぁそれでも自分で作ったものなんで使っているうちに愛着がわいてくるんですけどね。もう少しがんばって片づけたら友達を呼んだりできるかな。

「サルビア東京案内」-図案:セキユリヲ、文:木村衣有子-

613(無意味)の日。雨の降っていない誕生日は珍しい。ミオ犬に銀座のアフタヌーンティでジェイミー・オリヴァーのランチをごちそうしてもらった。バジルとオリーブオイルをたっぷり使った肉料理でおなかいっぱい。夜だったらアルコールをめちゃくちゃ飲んでしまいそうな感じでした。
天気予報を見ていると今週は梅雨の中休みらしいですね。先週もずっと雨というわけではなかったし、梅雨入りは早かったけれど今年は意外と雨が降らないのかな、なんて期待しまう。そもそもその天気予報もあてにならないのですが・・・・。あまり期待せずに朝起きて明るかったら「ラッキー!」と考えることにしよう。「期待は失望の母」という格言もありますしね。

そんな天気の良い日があったらこの本に載っているような谷中や神楽坂を一眼レフや最近あまり使ってないポラロイドカメラを持ってのんびり歩いてみたい。
どうも本を買うことを前提に歩き回っているので、どうしても家を出るときはできるだけ荷物を持たないようにしてしまうのです。しかも高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻、吉祥寺と中央線沿線ばかりだ。特に引っ越しして吉祥寺、西荻が少し遠くなった分、荻窪によく行くようになった気がする。行くたびに違う道を通っているので、新しいお店や喫茶店を見つけたりして楽しいことは楽しいんだけどねぇ。

「達磨の縄跳び おしまいのぺーじで 2」-文藝春秋 編-

「巻頭随筆」に続いて「オール読物」の悼尾に連載された昭和61年から平成8年までのリレーエッセイを集めた本。山口瞳、吉行淳之介、水上勉、吉村昭、開高健、丸谷才一、結城昌治といった作家のエッセイが収録されています。
どれも2ページくらいの短いものなので、内容的には日常の些細なことやふと思い出したような昔の思い出話など、「巻頭随筆」よりもさらりとしていますが、軽く読むにはいい感じです。前の人のエッセイを読んだ影響で微妙に取り上げる題材が似てしまう時期があったり、連載陣が高齢なため病気の話になりやすく、そういうエッセイが続くとそれを戒める文章があったりしておもしろい。山口瞳の回が最後の方でなくなってしまっているのは作者が亡くなったからだな、なんて思ったりして。1のほうも今探しているところです。
ところで前々回「巻頭随筆」が3まで出ているらしいと書いたのですが、この本の広告欄(?)を見てみると6冊出ている模様。訂正します。全部そろうのはいつのことか、先は長そうだ。

昔話といえば私が生まれたのは横浜の保土ヶ谷区にある笹山団地というところで、周りはわりとたくさんの団地が集まっているような場所でした。それでその同じ棟に私と同じ歳で6月生まれの男の子が3人いて3日、6日、9日そして13日(私)と誕生日が続いていました。ほかの棟にも同じ歳の子供が居たから、いっつもまとまって遊んでいたものです。それぞれにも兄弟はいたし、歳の近い子供も多くいたし、今思うと小さい子供がたくさんいたんだなぁと思う。
私は幼稚園に行かなかったけれど、もともとあった幼稚園だけでは足りなくて新しい幼稚園ができたりしていたし、小学校も校舎と増築するとかで入学した手の頃はプレハブの仮校舎で勉強してました。
ついでに言うとその後、引っ越してきた二宮でも近所に6月11日、12日生まれの同級生がいて一緒に誕生会をしてました。リップ・スライムが「なぜか多い6月のベイベー」と歌うだけのことはありますね。そんな同級生たちもいまではもう30代半ば、もうほとんど連絡なんて取ってないけどみんな何してるのだろうか。

「ku:nel」(Vol.8/2004.7.1)

ようやく「ku:nel」の新しい号を買う。ハワイ特集。最近いろいろな雑誌でハワイを特集していますね。流行ってるのかな。私自身はハワイに行ったことはないけれど、友達が一時期ハワイに凝ってしまって、バイト代がたまる度に年に2回くらい、それも2週間から1カ月以上ハワイに行ってました。もう十年位前のことですが。
でもその頃は、特にハワイに興味のない私たちでさえもゴンチチの「ヒロ」を耳コピでものすごく簡単にしてウクレレで弾いたり、「ハワイ島 アロハ通信」の頃の平野恵理子展に行ったり、アーサー・レイマンやマーティン・デニーを聴いたり・・・・と、その友達の影響を受けた生活を東京の六畳一間の暑い部屋の中で送っていました。
そういえばその何年後かもよく行っていたイベントの周辺でハワイブームがあって、フラを習う女の子がいたり、ハワイアンAORのレコードを買い漁る友達が居たりしたな。そう考えるとハワイブームって割と定期的に起こるものなのかな。
私がハワイに行く日はいつになるのだろうか?なんてことを思いつつゆっくりとページをめくってます。ちなみに4月にやっているた「トリスを飲んでハワイに行こうキャンペーン」に応募し損ねてしまいましたが・・・・。

ところで前から行きたいと思っていた芦花公園の世田谷文学館でやっている「池波正太郎の世界展」に行って来ました。地図を見たら芦花公園って家から吉祥寺よりも近かかったので、芦花公園からついでに千歳烏山→三鷹台→吉祥寺と自転車を走らせてみました。時間と体力があったら調布の方まで甲州街道を下ってみようかと考えていたのですが、吉祥寺まで戻ることを考えると「ちょっと、どうかな」という気分になってしまいます。20代の頃、調布に住んでいたときはよく自転車で吉祥寺まで遊びに出ていったりしていたものだけど。
展覧会の方は、「鬼平犯科帳」などの時代劇のファンらしい老夫婦やおばさん、おじさんがポスターとか見ながら、「鬼平は●●●に限るねぇ」みたいな話をしてるのを横で聞いたり、私は基本的にその辺の時代ものにはまだ興味がないのでさらりと見たり、料理や旅、昔の東京などについてのエッセイ関係の書籍や雑誌をチェックしたりしていました。