「独りの珈琲」-増田れい子-

私はたいていの場合、お昼ご飯は会社でお弁当を食べているのだけれど、一週間に何回かは外に食べに行っています。何カ月前は同じ課の人と5、6人で食べに行っていてなかなかお店に入れなくてさまよったりしていたのですが、1人辞め、2人辞め、新しい人が加わったりまた辞めたりして、9月には2人になってしまい10月からは1人になってしまいました。
一人だとどうしても「サンドウィッチでいいや」みたいなことになりがちで、サンドウィッチを片手に本を読んだり、一度定食屋でご飯を食べたあとコーヒーを飲みに行って本を読んで時間をつぶしていたりしています。食べるのが早いので定食屋などに入ると、食べ終わっても12時20分ぐらいだったりするのです。だからどうしても時間を持てあましてしまうんですよ。毎回本屋に行くってわけにもいかないしね。いやもっとゆっくり食べるようにすればいいんですけどね。

今週は天気が良かったので喫茶店から外に出ると、それほどあついという感じではないけれどなんだかちょっとまぶしい。空は真っ青で薄い雲が風にながれていたりして、「このまま帰っちゃおうかな」なんて思いながら会社に戻ってます。

「独りの珈琲」はそんな私の心に染み渡るようなエッセイで、ちょっと投げやりになりつつあった毎日を、もっと大切に過ごさなくちゃなぁ、という気分にさせてくれます。

「ねむれ巴里」-金子光晴-

「ねむれ巴里」は「どくろ杯」「マレー蘭印紀行」と続く作品なので本当はそれらを読んでからにしようと思っていたのだけれど、このあいだ横浜に行ったときに古本屋で見つけたのでとりあえず。
最近割と軽めの本ばかり読んでいたので、金子光晴の巴里での生活の生々しさが妙にズシンときました。同級生だと思われる日本人がフランスに来たとあれば電車を乗り継いで行き、同姓同名の別人と分かってがっかりとして帰り、仲間たちと日本ぽい絵を描いたり、傘を作ったりしては道ばたで売ろうとし、金持ちを見るや何とかだましてお金をせびろうとする。この生々しさはやはりアジアを舞台とした前2作の方が似合っているような気がします。期待が膨らむなぁ・・・・。

暑かった9月も過ぎて気がつけばもう10月、今年もあと3カ月。うちの会社は禁煙なのでたばこは外(屋上?テラス?)で吸っているのだけれど、ベンチに座って缶コーヒー飲んで、青い空とか隣のビルの解体現場を見ながらたばこを吸っているのはとてもいい気持ちで、席に戻りたくない気持ちになってしまいます。夏は暑かったり冬は寒かったり喫煙者が冷遇されている職場ですが、この季節はいいですね。でもそんな時期は短くすぐに寒くなってしまうんでしょうけど。

「ファイヤーキング マグ図鑑」-山下哲-

テラピンで壁際の棚にマグが並んでいるのを見るたびに「欲しいなぁ」と思ったり、雑貨屋やアンティーク一で見るたびに「そうそう買えるもんじゃないね」なんてあきらめたりしているファイヤーキングのマグ。こんな本を読んでいると「こんなのもあるのか」「これもいいなぁ」とよけい欲しくなったりして罪な本なのだけれどやっぱり見ているだけでも楽しい。気がむくをぱらぱらとめくっては夢見たりしてます。

週末は久しぶりに晴れて自転車で三鷹→吉祥寺→西荻とうろうろしてました。久しぶりに昔ひとり暮らしの時に住んでいたアパートの前や毎日通った三鷹台の駅前を通ったりちょっと懐かしくなってみたり(という大げさですね。それほど昔のことでもないし・・・・)、三鷹になにげにおしゃれっぽいカフェができているのに驚いたりしました。

「私本歳時記」-山口瞳-

この本で一番気に入っているのは表紙だったりするのだけれど、ペーパーバックスと違って日本の文庫本は本自体にデザインがされているのではないというのが残念。表紙も本の一部だと思うんだけどなぁ。

久しぶりに中目黒~代官山を歩いてみました。前回行ったときはGULU Cafe閉店間近の6月後半だったので3カ月ぶりですね。たった3カ月ではあるけれど、新しいお店ができていたり、なくなっていたり、場所が変わっていたりしていました。そしてだんだんとお金のかかってそうなきれいな店舗が増えていくのがちょっと寂しい。2、3年前とかはもっともともとあった建物をうまく活かしながら仲間内できれいにしてみました、という雰囲気の店がたくさんあったような気がします。

そういうことを考えていたからではないけど、オーガニックカフェでオムレツブレッドを食べながら泡いっぱいのカプチーノを飲んでいると妙に落ち着いてしまいます。
ここは店の雰囲気もどこか男(の子)っぽいし、男2人で来ていたりするお客さんも結構いるし、かかっている音楽もありがちなボサノヴァやフレンチなんかではなく自分たちの好きな曲をかけてる感じがして(今日はヒップホップがずっとかかっていたよ)、やっぱりいいカフェだなぁと思ってしまいました。

「ku:nel」

台風が来ているせいで週末は雨降り続き。それでもちょっと用事があったため久しぶりに横浜に行って、ついでに関内から黄金町、日ノ出町、そして桜木町と古本屋を回ってみました。でも収穫はほとんどなし。ということで疲れただけ。途中で自分でも「何やってるんだろう」という気持ちになるものの黄金町で電車に乗るわけにも行かないし(なんで?)、一度伊勢佐木町の通りを歩き始めると桜木町まで行くしかないんですよね。
何年ぶりかの伊勢佐木町は雨のせいもあるかもしれないけどなんか活気がなくて寂しい感じでした。ちょっと裏に行くとでかい風俗店があったりするし、店も心なしか閉まっているような気がするし、もちろん人通りは少ないし・・・・。

「ku:nel」は1号目が割と良かったのでつい買い続けているのだけれど、2号、3号とちょっとどうかなぁという感じになっていたので、隔月はどうなのだろう?とりあえずこの号はチクテカフェやマーガレット・ハウエル、武田百合子などが特集されていて結構気に入っています。おはぎとかお弁当とかもおいしそう。

「結婚します」-山口瞳-

この本はかなり前に手に入れた「結婚しません」と続けて読もうと思っていて探していたのだけれど、どうも巡り合わせが悪いようでなかなか手頃な値段で見つけることができませんでした。で、手に入れたと同時に読んでみたのだけれど、よく考えたら「結婚します」→「結婚しません」の順番じゃなくて「結婚しません」→「結婚します」のほうが普通の流れかもしれないと、どうでもいいことを考えたりしてます。

解説には中間小説のこの作品には山口瞳の結婚に対する考えがつまっているといったことが書いてありますが、わたしはもう結婚もしてしまってるしそんなこともあまり考えながら読んだりしてません。 まっそんなものかな。

「江分利満氏の優雅な生活」

山口瞳の本を読み始めたときにいつかは読んでおかなくちゃ、と思って買ってはみたけれど、どうも読む気がしなくて本棚に置きっぱなしにした本。
でも最初の方に読まなくて良かったです。山口瞳の本をいくつか読んでみて、山口瞳の経歴を大まかでもわかった後に読んだので、実はかなり深い作品じゃないかと思いました。江分利満(エヴリマン)と言いつつかなり個人的な要素が含まれているのではないでしょうか。その個人的な要素と風俗的な要素をうまく組み合わせている点にこの本のおもしろさがあります。

さて、ちょっと前にトリスウィスキーにアンクルトリスのグラスがついているのを見て以来迷っていたのですが、今日西友で見たらグラスのついているものがあと3つになっていたので、「これは買うしかない」とトリスウィスキーを買ってしまいました。グラスが冷えるとアンクルトリスの顔が赤くなります。
わたしは家ではほとんどお酒を飲まないのだけれど、とりあえずこの1本がなくなるまで頻繁に飲んでしまいそうです。(今も飲みながらこれ書いてます)

「すてきな 三にんぐみ」-トミー・アンゲラー-

9月に入ってからの真夏日すでに9日だそうです。あきらかに8月よりも夏、ですね。
「夏の気分をもう一度!」というわけではないけれど、今日は夏休みにできなかった冷蔵庫の上にのせるための棚を一日かけて作ってました。

夕方、あらかたできあがったのでご飯(焼きそば)の材料を買いにいくついでに、久我山の南口にある古本屋さんをちょっとのぞいてみたらこの「すてきな 三にんぐみ」を発見。ずっと欲しかったんだよ。980円の定価なので素直に買えばいいのだけれどそういう機会もなく、それじゃ特に欲しいわけじゃないんじゃないの?という意見もあるとは思うけれど、そういうわけでもないのよ。よくわかりませんが・・・・。
この本屋は(名前は忘れました)結構きれいなだし、本も「おぉぉ」というほどじゃないにしても割とそろっているのだけれど、ちょっと駅から遠いので会社帰りとかに気軽に寄るということができないのが残念。会社の帰り道に毎日のように寄れる古本屋さんがあるといいのにな。
そういえば「本業失格」のなかで誰かが「午前2時に開いてる古本屋が近くにあるといいよね」なんてことを言っていたけれど、わたしもそう思います。西荻から帰るとたくさんあるんだろうけど、まぁそうなるとそれはそれでいろいろ問題が・・・・?

「本業失格」-松浦弥太郎-

 神保町に行きたーい!2カ月くらいからそう思っていたのだけれど、この本を読んでまた強く思うようになってしまいました。毎週じゃなくていいから1カ月に一度くらいは行きたいです。
で、僕の勝手なイメージとしては、どうも週末はお店が閉まっているような気がするのと気分的に平日の昼間にうろうろとしたい。
結構人でにぎわっているんだけど、実は学生とさぼっていると思われる会社員、そして普段何しているのかよく分からないような人ばっかり、なんて中で「あっちに喫茶店あったな」なんて思って歩いているうちに知らない古本屋が目に入ったりして、お昼ご飯を食べるすきもないくらい次々と本屋に入って、本がいっぱい詰まったリュックサックとトートバッグはずっしりと肩に食い込むし、レコードなんかも買ってしまって結構じゃまで、とりあえず喫茶店で休んでバッグの中の本を整理しているうちにあたりは暗くなってくるし、休んだはずなのに帰りの電車は通勤ラッシュにぶつかってしまっていつもより辛かったり・・・・。
以前は割と残業や休日出勤があったりして代休も取れたものなのですが、最近はそういうのが全然ありません。かといって定時にあがってその後に神保町に行くってわけにもいかないし・・・・。こうなったら有給使うか・・・・。

でも私は基本的に「読んだら買う」という感じなので、読んでない本が何十冊もたまってしまうというくらい本を買い込むことはありません。だから週に何回か西荻か吉祥寺の古本屋に行って、気が向いたら高円寺とか荻窪とかを歩いて、という感じで満足なんですよ。