「金沢 酒宴」-吉田健一-

結局、周りのカメラーブームの雰囲気に便乗してC35をヤフオクで落札。出品者が比較的近い場所で骨董屋をやっている人だったので、昨日会社帰りに直接取りに行ってきました。
手に入れたのは1971年に発売されたC35フラッシュマチックというカメラ。ほんとは今持っているジャーニーコニカ(1968年発売)がいいのですが、見た目にはほとんど変わらないし、けっこう状態も良かったのでまぁいいかな、と。ちなみにコニカミノルタのページでフラッシュマチックを見てみたら「フラッシュのガイドナンバーを事前にセットすることで、フラッシュの着脱だけでフラッシュマチックが連動するものであった」と書いてありました。でもよくわかりません。だいたいフラッシュ使わないし・・・・。一部ブラスティックが使用されているところが70年代っぽいです。

さっそく試し撮りをしなくてはとフィルムを入れて会社に行く途中や昼休みにうろうろしながら適当に撮ってみました。今日は歩いているとちょっと暑いくらいで、そのまま会社に戻らずに上智大のほうに行って四谷から曙橋のほうを通りつつ新宿まで行くのもいいなぁ、なんて思ったりして。
そういえば昔、セツに通っている友達と飲んだりするときは、新宿や四谷から曙橋まで歩いて当時はそれほど店の数もなかったフレッシュネスで本を読みながら授業が終わるのを待ってましたね。

なんてことも思い出したのは4月1日から弥生美術館で長沢節展が開かれるという記事を読んだから。ついでに「千葉県内で開かれた写生会に学生を引率し、見回り中に自転車で転倒したのが原因で1999年ご逝去」という記事も見つけて、らしいなぁと思ってみたり。
私には絵の才能が浜ちゃんと同じくらいしかないので、こういってはなんだけど長沢節には思い入れも関わりもまったくないんですけどね・・・・。

「書架記」-吉田健一-

土曜日に高円寺の西部古書会館でやっている古書即売会に行き、日曜日は中目黒のカウブックスへ行く。同じ古本屋なのにこの客層の違いはなんなんだろう。というか古本屋としてカウブックスの客層が特異なんでしょうけどね。カップルや女の子2人組がこんなにいる古本屋さんってそうないです。

そのカウブックスになぜか吉田健一と永井龍男の単行本がたくさん並んでいてびっくり。いやーこれ欲しかったんだよ、なんて思いつつ微妙な値段だったのでとりあえず保留。吉田健一の本がこんなに並んでるの久しぶりに見ました。そういえばこの「書架記」も青山のほうのカウブックスで買ったんですね。それでお金を払う時にレジで店員に「奥のほうにも吉田健一の本がありますよ」って言われたっけ。
んんっ、実は流行っているのか吉田健一(そして永井龍男)。私は無意識にただ流行にのってるだけなのか!? 山口瞳は流行りにのっちゃおうという意識的に思っていたけど、吉田健一(そして永井龍男)までもがそうなのか。じゃ小沼丹や井伏鱒二、これからじっくり読もうと思っている里見弴はどうなんだろう?なんてちょっと疑い深くなってしまいました。
まぁ「人はただ流れに身を任せればいい」ってシャアも言ってたじゃないですか。

「石版東京図絵」-永井龍男-

大工の息子として神田に生まれた主人公の日露戦争から関東大震災を経て太平洋戦争の敗北までをたどった長い生涯を描きつつ、失われた下町の人情や職人たちを描いた本。
吉田健一もそうなのですが、永井龍男の小説もストーリーはわりと二次的なものに過ぎなくて、まず書き残しておきたい強いなにかがあって、それにあわせた物語があるというスタンスで小説を書いているので、小説を読んでいてもときどき随筆を読んでいるような気分なります。文章的なスタイルは全然違うんですけどね。

10月に初めて行った以来いつか行こうと思って毎週スケジュールをチェックしているものの、なかなか行く機会のなかった高円寺の西部古書会館に行ってみた。とりあえず西荻に出て総武線を待っていたら、ふと中野の中古カメラ屋を思い出し足をのばすことにする。
周りが最近続けてカメラを買ったせいというわけでもないけど、ちょっとコンパクトカメラが欲しいという気分なのです。このところ一眼レフを持ち歩くのはつらいので、オートハーフを持ち歩いているのだけれど、ピントなどが自動なのでちょっと物足りない。少なくとも自分でピントを合わせられるといいなぁと思ってます。ハーフはハーフでおもしろいんだけれどね。
フジヤカメラは前にOM1のレンズを買ったことがあるお店で、中古屋としては大きいし、少しだけれどコンパクトカメラも置いてあります。でも結局今日は欲しいと思うものが見つかりませんでした・・・・。それよりも店内が年配の男の人でいっぱいだったのには驚きました。

高円寺ではどこかで何か食べようと思いながら結局どこにも入る気になれずうろうろと古本屋巡り。で、目的の西部古書会館へ。いやー商店街からちょっとはずれたところにあるのに遠くからでも人だかりになっているのがわかるくらいの人だかりでびっくり。前回行ったときはそれほど人がいっぱいだったという記憶はないんだけどなぁ。それも年配の男性ばかり・・・・。
自分の趣味がどうもおじさんになっている気がしてちょっと「・・・・」な気分になりました。

「横浜おでかけガイドブック―元祖写真絵本」-沼田元氣-

横浜には高校の頃、土曜日になると毎週のように遊びに行ってました。2年の時に首にアトピーが出てしまったせいで剣道部を辞めたのでなんだか土曜の午後が暇になったのです。学校の友達はまっすぐ帰ったり予備校に行ったりしてたしね。といっても高校生、ひとりどこに行くわけでもなくただぶらぶらしていただけですけど・・・・。

たいていは桜木町で降りて野毛山のほうに歩きつつ古本屋をのぞいたりして黄金町でq映画見たり、そのまま伊勢佐木町のほうに行って中古レコードみたり、そのままスタジアムの横を通りながら中華街で肉まん食べてブラジルでコーヒー飲んで、元町のタワレコによって帰るというコース。けっこう歩いてたねぇ。というか場所は違っても行くところはレコ屋と古本屋で今と変わらず、って感じですか?

だからこの写真絵本に載っているような洒落たところにはほとんど行ったことはありません。もっとそういうところに行っておけばなぁ、あの頃はカメラなんて持ち歩いてなかったしなぁ、なんて思いながらページをめくってます。

「レオニード・シュワルツマン原画集」

劇場公開されてからかなり経っていると思うのだが、今でも雑貨屋さんなどに行くとチェブラーシカグッズが置かれているし、新しいものもどんどん出ているような気がします。でもどれもちょっとものたりなくてやっぱり映画に出てくるあの表情のない表情のチェブラーシカが一番かわいいなぁと思ってしまうのは私だけ?
その中でもこのシュワルツマンの原画はわりと気に入っていて、この本が発売されたときにパルコでやっていた原画展を見て以来、いつか買おうと思っていたのです。1100円、50円チケットを使いまくったので(750円分!)かなり安く買った気分。それにしてもこの間は柳原良平のアンクルトリスの画集が1000円で売っていたし、ブックオフに通い続けているとほんとにいろんなもの出てきますね。

なんか年末くらいから嫌なことばかりで落ち込んだり、イライラしたりすることが多いので、今度のお休みはこんな画集を見ながらチェブラーシカとかのビデオでも借りてこようかなぁ。基本的に楽天家なので寝たり、誰かとしゃべっていたり、夢中でなんかしていたりするとすぐ忘れるのんだけど、またなにかのきっかけで思い出してしたりして。多分、まわりからみたらそう大きな振幅ではないんだろうけど、普段平静なだけにどっと疲れるんだよね。

「結婚しません」-山口瞳-

この「結婚しません」は、かなり前に買っていて、同じ結婚をテーマにした「結婚します」を読んだらその後に読もうと思って置いてあった本。流れとして「結婚しません」→「結婚します」よりも「結婚します」→「結婚しません」のほうが自然な感じだと思ったのだ。(どちらが先に発表されたのかは見てません・・・・)でも少し後で手に入れた「結婚します」をすぐに読んでしまったわりには、なぜかこちらのほうは置きっぱなし。調べてみたら「結婚します」を読んだの9月でした。長いインターバルだったなぁ。

なんて本の内容とはまったく関係ないことを書きつつ内容にはふれずに次の話題に移ります。
今日は、ミオ犬が友達のうちに遊びに行ったのでひとりで先に吉祥寺へ。昨日、ヨハネス・イッテンの展覧会に行ったとあと、表参道に出て友達とごはんを食べたりして遅くなってしまったので、吉祥寺に自転車を置きっぱなしにしてあったのだ。
でも二日続きのなので特に行くところもなし。「たまにはコレクターズショウケースやSocksなどの雑貨屋でも行こうか」「そういえば行きたいカフェがあったけど場所忘れた」などと思いつつ、結局、早めに帰って朝から食べてないしパンでも買って家でコーヒーいれつつ本を読んだり、自転車きれいにしたり、サイトの更新準備をしたりしようと決め、4時半くらいに家に戻る。

しかーし、なんと早く家を出たために気がつかなかったけれど、家に鍵を忘れてきたのだ! う~ん、中に入れない・・・・。こんなこと初めて。空腹感、疲労感倍増。渋谷とか下北とかに出る気力もないのでとりあえず西荻、それいゆで中途半端な時間の食事。もうどこにも行く気もなかったのに古本屋やレコード屋に行ってみたり・・・・。ほんともう疲れた気分の日曜日。自転車磨くにも磨く布さえ持ち出せず・・・・。

「身辺すごろく」-永井龍男-

朝起きると、暖かくてちょっとうれしくなったり、いきなり寒くなってがっかりしたりしている毎日ですが、こういう繰り返しの朝が数週間続いて春になっていくのでしょうね。今度の休日は、春にむけて自転車を磨いてみようかな、なんて思ってます。
井の頭沿線に住んでいると自転車はかかせないもので、それは多分電車の駅と駅が短いのでひと駅、ふた駅ぐらいなら自転車で行ったほうが早いし、いつも同じ線路の上を走っているよりも気分によって裏道に入ったりしたほうが全然楽しいし、逆に歩いて行くにはちょっと遠い(井の頭公園って意外と広いしね)距離にいろいろなものがあるから。お休みの朝など、半分目が覚めかけたときにカーテンの隙間から暖かい日差しが入ってきたりすると、「もう寝ていられない」という気分になってしまいます。

うちに2台ある自転車は両方とも無印良品のもので、私が使っているのは20インチの小さな緑色のもの。いままではわりともう一つの自転車で移動することが多かったのですが、今年になってこの自転車をよく使うようになりました。小さいのでこまわりがきくし、ちょっとしたところに置いておけるので便利なんですが、久我山→吉祥寺→西荻→久我山を自転車を走らせていると、やはりタイヤが小さいせいか余計にペダルをこいでいるらしくてどうも週末筋肉痛気味になってしまう(このほかにたいてい電車で荻窪や阿佐ヶ谷、高円寺を歩いているが・・・・)。いや単に年をとっただけか!?

そういえばこの間吉祥寺に自転車を置いて買い物して、西荻に移動しようとと思って自転車の置いてあるところに戻って、鍵をはずして荷物をカゴに入れそうと思ったらカゴが大きい。よく見ると無印の同じ緑のでも26型の自転車が隣に置いてあってそれに乗ろうとしてました。同じ無印で、緑、そして鍵も一緒なんて!?

「アァルトの椅子とジャムティ」-堀井和子-

昨日に続いてカメラ、コニカC35の話。
今壊れてしまったコニカC35は3代目で、一番はじめに買ったのはもう15年くらい前になります。ちょうど友達何人かと神戸に遊びに行ったときに、なぜかデパートであっているカメラ市なんか寄って、見てまわっているうちにジャンクの箱の中にあったのに一目惚れしてしまい衝動買い。もちろん写るわけありません。
その頃は特に写真に興味はなかったのでぜんぜんカメラの種類なんか知らないし、写らなくてもここで買っておかなくちゃ忘れると思ったのですね。まぁ500円だったんですけどね。
それから中古カメラ屋を回って買ったものが2代目で、それもわりとすぐに壊れてしまって、今のものは新宿のフリマで購入。「写るかわかんないよ」と言われて買ったので、試し撮りして写ったときはうれしかったです。でもけっこうこいつは気分屋でしばらく使わないと、ぼやっとした写真になってしまって、それを我慢して使っているとまたきちんと写るようになったりして、気がつけばシャッターが閉まらなくなってました。ぼやっとした写真もいい味出して手良かったのに。
ネットで検索したりすると、コニカC35は簡単な構造なので自分でリペアしやすい、とのことだけれど、なかなか自分でやるきっかけがつかめないままです。

ちなみわたしはわりと同じ機種のカメラを使うことが多くて今使っているOM1のその前もOM10だったし、ビッグミニもオートハーフも2代目だったりします。ほんとはいろんなカメラを使ってみたいけど、一度使うとどうも慣れてしまってそればっかり使いたくなるんです。

「緒川たまきのまたまび紀行 -ブルガリア編」

「Pickwick Web」のブックマークで紹介させてもらっている「Osanai design studio」の長内さんから「処分したい本があるので・・・・」というメールをいただき、ずうずしくも週末に長内さんのお宅にうかがって何冊かいただいてきた本の中の一冊。何冊かあるうちでなんでこの本だけ?というのは特に理由なし。長内さんのうちでは井の頭話しをしたり、スノードームコレクションを見せてもらったりしました。

その長内さんも昔ファンで街で見かけたこともあるという緒川たまき。私も昔からファンで別の写真集を持っていたりします。あまり見ないけどね(写真集なんてそんなもん)。もっとも「好きな有名人は誰?」と言われたときに「緒川たまき」と答えると「あぁやっぱりねぇ。そんな感じする。」というリアクションをされるので最近はあまり大ぴらに言わないようにしてます。
でも緒川たまきってあまりにもマイペースすぎていつまで経ってもイメージ的にはピントが合わない感じですよね。

たまきネタでこんなに書くつもりではなかったのだ。このところ私の周りではコンパクトカメラブームらしい。うちの奥さんと友達のひとりが先日偶然にも一日違いでLOMOを買い、それを聞いた別の友達がFOCAをヤフオクで落としたりしていて、私もなんだか春に向けて壊れてしまったコニカC35を買い直したい気分でいっぱいになってる。実際はBIG MINIさえあれば充分なんですけどね。

「熊の敷石」-堀江敏幸-

30を過ぎたぐらいから規則正しい生活をするようになったせいか風邪をひいたりぜんそくが出たりアトピーがでたり吐くくらい胃が痛くなったりすることはなくなったのだけれど、月に2、3回くらい頭が痛くなるのは治らない。何が原因なのかわからないが、まずはじめに耳の後ろのほうが電気が通ったみたいにピクッと痛くなり、そのうち頭の前のほうがガンガンしてきて歩くたびに頭に響く。
はじめにピクッとした痛みが続いたときは、かなり不安になって(耳の後ろだったので)耳鼻科に行き診察を受けた後で、「うーん、これは耳ではなくて頭が悪いようですね」と言われた。医者に「(君は)頭が悪い」って言われるとねぇ・・・・。
まっ、最近は原因もわからないしそういうときはさっと寝るようにしてます。たいていは朝起きると治っているのだけれど今日はなぜか治らず、ときどき体をピクッ! とさせながら仕事してました。

話変わって、女性2人が受賞したという話題で盛り上がっているうちに文庫で出しておこうということなのか、2000年に芥川賞を受賞した堀江敏幸の「熊の敷石」が文庫化されてました。堀江敏幸の本で初めての文庫化。でもぜんぜん話題になってないような・・・。
調べてみたら2000年の前半は町田康で後半が堀江敏幸なんですね。で、今年は棉矢りさと金原ひとみ。なんかめちゃくちゃな人選のような気がするのは私だけか。受賞者の一覧を見つつ30年経ったら読もう、なんて意地悪なこと考えてます。