「EXPO’70 伝説 日本万国博覧会アンオフィシャル・ガイドブック」

先週の木曜日から歯茎が腫れてきて、週末は痛い歯(というより耳の裏?首筋?)を押さえてうなってました。どうやら親知らずが隣の歯に当たってしまっているらしいです。とりあえず金曜日に会社を休んで歯医者に行って炎症止めの薬をもらったので炎症はおさまったのですが、痛みは全然ひかず定期的に頭に響くような痛みが走るので、3連休もほとんど家にいて、「まるでナチスの拷問みたいだな」なんて思いながら、特におもしろくもないテレビを見たりこんな本を眺めたりしてました。

大阪万博についてといえば、私は1969年生まれなのでもちろん記憶があるはずもなく、もしあと10年くらい早く生まれていれば、と思うけれど、うちの親がわざわざ大阪まで人混みの中へ行くとは思えないし、大阪方面に親戚があるわけでもないから、結局行けなくてあきらめていたのかなぁ。
でも私の世代の子供たちは「20年、30年後の未来はすごいことになってるはず!」と本気で思っていました。1970年代はまだ2001年なんてほんとに宇宙ステーションができていて宇宙に行ったり、車はチューブの中を走っていたり・・・・そんなイメージがあったけれど、今から20年、30年後なんてたいして変わってなさそうだし、それどころか今より悪くなってるんじゃないか、なんて思っているのは私が大人だから?今の子供たちはどうなのよ!どうでもいいけど。

そもそも1957年に人類初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられて1961年に人類初の宇宙飛行が人工衛星ヴォストーク1号によって行われ、そして1969年にアポロ11号が月表面に降りるまで(ほんとうか?)に10年ちょっとしかかかってないわけで、それからもう35年も経ってるのにねぇ。1981年のスペースシャトルからも20年以上だもの(このときはクラス中で盛り上がったなぁ)。やはり宇宙は遠い・・・・。そういえばこのあいだブッシュが2015年までに米国の有人月飛行なんて言ってましたね。

「私の一日」-里見弴-

里見弴の本は、岩波文庫から出てる随筆は昔読んだりしていたのだが、一度まとめて読んでみたいと思いつつなかなか手に取ることがなかったする。
この「私の一日」は里見弴が80歳過ぎてからの随筆集で、永井龍男の随筆と同じように鎌倉での日々や若かった頃の自身の話、志賀直哉泉鏡花といった友達とのエピソードなどが綴られています。文章は比較的軟らかいのだけれど、旧かなづかいなのでちょっと読みにくいと思ってしまうのは、単に私の勉強不足のせいです。
随筆のほかにも「彼岸花」や「多情仏心」「安城家の兄弟」といった小説も読んでおきたいところ。そもそも「極楽とんぼ」さえまだ読んでない私ですから・・・・。

そういえば先週の土曜日に前の会社の人に誘われて久しぶりにレコード回しました。渋谷の六本木通りからちょっと入ったところにあるSoftという、それほど大きくないゆったりとできるような場所。
あんまり新しいレコード買ってないので去年までやっていたリボルバーの時と同じようなイージーリスニングとソフトロックを中心に、お客さんがまだ少ない早い時間に自己満足でハーフビーやルーファス、ヲノサトルかけたりして、ひとり盛り上がってみたりしてました。でも体力が持たず終電で帰宅。次の日とか気にしてるようじゃダメですね。

「木をみて森をみない」-青山南-

翻訳家の中でもし柴田元幸派と青山南派があるとしたら私は青山南派で、「訳:青山南」となっているだけでそのその作品や作者を知らなくても読みたくなってしまいます。といっても全部の本を読んでいるわけではないし、柴田元幸が訳した本も読んでますけどね。柴田元幸の場合はその作品がおもしろそうかどうか割と冷静に考えてから読むことが多いです。

私は英語が読めないせいもあって翻訳家の書いた文章で知らない作品や作家のことを知るということが多い。そしてそういった本を読むたびに「英語が読めたら・・・・」なんてちょっと思ったりもします。でも翻訳されている本でさえ読みたい本を全部読んでいるわけではないので、もし英語が分かったからといってペーパーバックを読む、なんてことがあるのかどうか・・・・。

この本でもときどき古本屋で見かけるあの本はこんな内容だったのか!、あの作家の本がそんなにおもしろいとは知らなかったなど発見があるけれど、実は単に青山南自身のジャズ喫茶に通っていた話といった話がおもしろいから、つい本を買ってしまうわけで。
この本に関して言えば一番の驚きは青山南が大学の時に小沼丹のゼミに所属していたということです。だからどうした、と言われればどうもしないんだけれど、自分の好きな人同士がどこかでつながっていたりすると、それだけでなぜかわくわくしてしまいます。

「This Is London」「This Is Paris」-Miroslav Sasek-

ニューヨーク編とサン・フランシスコ編に続いて復刊されたサセックの本が届く。前回の時も注文してから届くまでが早かったけど、今回は寝る前に注文しておいたら次の日の昼に「配送しました」というメールが来てその次の日に本が届くという・・・・。かなりびっくりの早さでした。シリーズものって一度買い始めると、つい買い続けてしまったりするんだけれど、このまま18冊全部復刊されたらどうしよう。
「あぁパリに行きたいなぁ。思い切って行っちゃおうかなぁ。」なんて思いつつページをめくってます。

久しぶりに「ニャンちゅう」をみたらお姉さんが伊藤かずえから清水ゆみって女の子になってました。伊藤かずえの“かずえお姉さん”は無理があったもんな。私としてはニャンちゅうの相手としては笹峰愛が気に入っていたんだけどね。
私は当然知りませんでしたが、清水ゆみって子はmcSister専属のモデルらしいです。ホームページを見たら去年「中国語会話」に出ていたり、掲載誌に4月6日発売の「relax」が載ってたんだけど、それって私がこのあいだ買った「relax」だね。「中国語会話」もときどき見てたはず・・・・。でもどこに出ていたのか全然記憶なし。

「町からはじめて、旅へ」-片岡義男-

本腰を入れて片岡義男のエッセイを読んでみようと思っているのだが意外と古本屋さんで見かけることがない。いやそもそも新刊の本屋さんでも片岡義男のコーナーってなかったりします。もう過去の人ということなのだろうか?角川の文庫はブックオフにいっぱい並んでいるのになぁ。

「町からはじめて、旅へ」は1976年に出された本で、「流行通信」や「シティロード」「宝島」といった雑誌に掲載された文章をまとめたもの。だからというわけではないが片岡義男の文章としてはかなり軽い、理屈っぽくないなんじゃないだろうか。
ちなみにこの直前にあの「スローなブギにしてくれ」が角川書店から発売されていて、この後「彼のオートバイ、彼女の島」「人生は野菜スープ」・・・・と続いていくわけです。(「町からはじめて、旅へ」の発売は1976年4月、「スローなブギにしてくれ」が3月)

全体的に「アメリカには本物の文化があり、日本にはない」といった論調が続くので、「日本にあった本物の文化を、まるで駐留軍が日本家屋に白いペンキを塗りたくったように、アメリカが偽物で覆い尽くしてしまった」と思っている私にはちょっとつらい。
でもそれは片岡義男の文章だけでなくその頃の雑誌などに書かれた文章は少なからずそういう雰囲気を持っているので片岡義男本人だけの問題ではない。しかもそういう文章をストレートに真に受け止められてしまっていたんだろうな、と思う。だから今だからこそ普通におもしろがってこの本を読んだりできるということもあります。
そういう主張が片岡義男の意図するところだったのかどうかは分からないけれど、どこか「たかが文章」という半分ひいた感じの姿勢が見え隠れしてるような気がするのは私のひいき目なのだろうか。少なくとも「アメリカには本物の文化があるから、日本もその上辺だけを持ってくるのではなく本物に接するべきだ」ということではないと思うが・・・・。

「レイモンド・ローウィ展」

渋谷の公園通りにあるたばこと塩の博物館で5月16日まで開催されている「レイモンド・ローウィ展」の図録。ずっと行こうと思っていてやっと日曜日に行って来ました。

ローウィの展覧会自体もおもしろかったけれど、常設展示のたばこに関する展示も「世界の喫煙具」「たばこの伝播」「近現代のたばこ」や、昭和53年当時のたばこ屋さんを復元したものがあっておもしろかった。
中でも「世界のたばこパッケージ」は、ヨーロッパとか中南米とか素敵なパッケージがそろってて、これで本を作ったら売れるんじゃないかと思うくらい。ちょっとたばこのパッケージを集めるのも趣味と実益(?)を兼ねてていいな、なんて考えてみたりして。でも強いたばこがすえない私には無理か・・・・。
このパンフも内容もかなり充実しているし紙もしっかりしている本なのですが値段は1200円。さすが元国営企業です。

話がそれるけれどこれだけ禁煙が叫ばれている今日この頃、JTはなんでのんびりと構えてられるのかいつも不思議です。ある意味営業妨害でしょ。しかも売り上げの4割が税金だし・・・・。発泡酒に酒税がかけられたときのビール会社の反応と比べると格段の差ですよね。私が知らないだけでJTはたばこ以外でものすごく儲かっている分野があるのだろうか。

そのあと下北へ出て、レコ屋巡り。ひさしぶりにノアルイズ・レコードに行ってみた。ここは店の雰囲気も落ち着いてるし、自由に試聴もできるし、何より欲しいレコードばかりなのでつい試聴しまくってしまう。でもいつも1000円程度でレコードを探してるような私にはちょっと買うには敷居が高い。イベントとかやったりしてるし心構えが変わってくるのだが、家で聴くだけだと思うとかなりシビアになってしまいます。

「庭の砂場」-山口瞳-

珍しくストックして置いた本がなくなってしまったので(実を言えばほかに山口瞳の本がストックしてあるのだが・・・・)、読んでみたけれど、やっぱり読まなきゃ良かった。めちゃくちゃ落ち込みました。もう10代じゃないんだから本を読んで考え込んだり落ち込んだりしたくないです。この作品が悪いんじゃないけどね。もう少し余裕のある時に読まなきゃいけない本です(多分、「血族」や「家族」、「人殺し」といった作品も私にとってはそうなんだろうな)。

この作品は、自分の中の“負”の部分を追求したという山口瞳の最後の短編集。くわしいことは書かないけれど、自身で「最後の短編集になるはずだ」と宣言した作品で、ここまで徹底的に、そして冷静にそれまでの人生、そして(10代の多感な頃と太平洋戦争が重なってしまったという)運命に対しての嫌悪や憎しみ、後悔・・・・を書けるものなのだろうか。60歳過ぎてからもそのような思いを抱えたまま残りの人生を過ごすということを考えるだけで私は恐ろしい気分になってしまう。私は鎌倉で川沿いの小さな家で奥さんと二人で暮らした永井龍男のようにもう少し平穏に過ごしたい。

そんなことを言いつつも一晩寝て朝起きて晴れていたら気分がいいもので、ちょっとでも早く起きて家の中をきれいにして「今日はどこに行こうか」なんて思ってしまう。いつもと変わらず中央線沿線をうろうろするだけでも、こんな暖かい春の日は気分がよくなるってもの。

「relax 2004/05」

今回の特集は「NOKIA」と「文房具」。最近、古本屋であまりみかけないせいでぜんぜん買っていなかった「relax」ですが、お昼ご飯を食べる前にちょっとだけ寄ってみた東京ランダムウォークで即買い。「relax」の特集なんてそれほど中身が濃いわけではないけど、春だし天気もいいし、たまにはこういう雑誌でも買って気分を盛り上げていくことも必要でしょ。

といっても、私はパソコンで文章を書いてるし、絵も描かないし、普段文房具なんて使う機会はほとんどないのです。でも文房具屋さんや雑貨屋さんで文房具を見るのは大好き。
もちろん高価なものには興味はないし、一応理性を働かせてそんなに買わないようにはしているのですが、小さなノート、ボールペン、スティックノリなどはいつの間にか「そんなに必要ないでしょ」というくらい買ってしまってます。あとファイリングもの、厚紙や段ボールの箱などもかなり気になります。

そんなわけで週末は久しぶりに本郷のスコスに行っちゃおうかとか、オンサンデーズに行ってそのまま表参道へ歩いてみようとか、下北に最近行ってないなぁとか、そういえばレイモンド・ローウィの展覧会に行ってなかったので渋谷でパルコでもいいぞ、もうこうなったら吉祥寺でもいいんだけどね、などと考えてしまっているミスチル桜井と同じ学年の単純な私でした。というより今日すでに会社帰りに銀座線降りたところで伊東屋に寄ってしまいましたけどね。
ちなみに来月号は「ラヴァーズロック」。これも夏に向けて買っておきたい特集ですね。今年の夏は何聴いて過ごすんだろうなぁ。

「男性自身 英雄の死」-山口瞳-

山口瞳の本を読み続けていると、「こんなとき山口瞳だったらこんなふうに言うだろうなぁ」とか「山口瞳だったらこの事件についてこんな風に書くだろう」なんて思うようになってしまう。そういう意味では今の私を山口瞳が見たらかなり怒られ、そしてあきれられてしまうような気がする。もっとももし山口瞳が今も生きていたとしても私と会うという機会なんてまったくないのだろうけど・・・・。

あいかわらず6時過ぎに会社を出る残業なしのやる気のない生活で、井の頭線に乗っていると友達から「まだ会社?」なんてメールが来たりして、ちょっと吉祥寺で買い物して帰るつもりが、結局11時半まで飲むことになってしまい、なんだか今日は一日中、頭が、そして体がだるかった。

「緑色のバス」-小沼丹-

この本は2月くらいにamazonのマーケットプレイスで買ってものなのだけれど、もう少し暖かくなったら読もうと思ってとっておいたのは、単に「緑色のバス」というタイトルに春を感じたから。でもこの短編は緑色のバスに乗ってロンドン郊外の動物園に行くという話で、前に読んだ小沼丹がイギリスに行っていたときの作品である「椋鳥日記」に収録されていたものなんですけどね。

金曜の夜に友達と飲みに行ったのにはじまり、土曜日は午前中に吉祥寺に出て次の日の花見の買い出しして、午後から渋谷で映画を見てその後目的もなく代々木公園に行き、日曜日は雨が降ってしまったので花見代わりに友達の家で飲んで、とあわただしく週末が過ぎていき、気がつけば月曜日。

花見は雨が降ってしまって残念だったけれど、三鷹台にある長内さんのお宅で、くとるーさんや吉祥寺の雑貨屋さんラウンダバウトの店長さん、三鷹台のパン屋さんリトル・バイ・リトルのご夫婦などが集まって、なんだか濃い井の頭談義が・・・・。みなさんいろいろなことをしている人ばかりで楽しかったです。自転車で行ったので帰りが辛かったけれど・・・・。帰ってきて風邪を引いたかと思うくらい寒気がしてそのままソファーで寝てしまいました。単なる飲み過ぎか!?3日間続けて飲んでるし。