「うみべのハリー」-ジーン・ジオン-

おなじみ「どろんこハリー」の続編。家の人たちと海水浴にでかけたハリーが、まわりの海水浴客を巻き込んで大騒ぎになる、というお話。犬や猫を主人公にした絵本は多いけれど、ジオンの描くハリーは愛嬌があってどこかとぼけているようでもあり気に入っている。もう一冊の「ハリーのセーター」も手に入れておきたいと思ってる本です。

普通の古本屋をでは絵本というのはたいていおまけ程度ににしか置いてなくて、でも意外と値段は高かったりします。基本的に子供が読む本だからぼろぼろになってしまっていて古本屋に回ってこないんだろう。
そんな中で私が時々チェックしているのは、荻窪にあるささま書店と西荻の興居島屋、それから三鷹台にあるB/RABBITSの3店。ささま書店は特に絵本を中心にしている古屋というわけではなくて、前にも書いたけれど、永井龍男や吉田健一などの日本文学やビート関係やフランスなどの海外文学、はたまた落語の本などが幅広く並べられていて、同じような感じで絵本もけっこうあるのがうれしい。
興居島屋は、絵本が中心といえるけれど大人の普通の本も置いてあるという感じ。でもなんと説明していいかわかりませんが並んでいる本にはこだわりがあります。
そしてB/RABBITSは完全に絵本/児童文学のみ。ここも自転車で行ける距離なので気が向いたときにのぞいているのだけれど、なんとなく常連っぽくなりたくなくて行く間隔を故意に少し空けていたりするのです。誤解されそうなので書いておくと、けっしてお店自体が嫌いなわけではありません。でも子供もいるわけでもない30代真ん中の男がしょっちゅう行くのというのはどうもね。しかもお店をやっている女の人がフレンドリーな人なのでよく話しかけられたりするし・・・・。ときどき店の中や外に子供たちがたむろっていて、「仕事中なんだからどこかに行きなさい」、なんて言われているのはご愛敬、ということで。

「遊び時間」-丸谷才一-

ちょっと時間があったので暇に身をまかせて気になる作家やその中で読んでみたいと思う(タイトルの)本のリストを作っていたら、400冊以上になってしまった。4日かけて一冊読むとしても4年以上、一冊800円としても32万円かぁ。いやそもそもリストアップされた本を全部読もうなんて思ってもいませんが・・・・。

amazonのリストマニアではないけれど、昔は、欲しい本やレコード、観たい映画、行きたい展覧会やイベントのリストをこまごまと手帳に書いていたものでした。雑誌とか買うとそのまま喫茶店に入ってメモってたしね。手帳を使わなくなったのは多分パソコンを使うようになってからで、なぜなら雑誌を調べたりするよりも検索した方が早いし、簡単だから。ネットがなかったら「木山捷平の著作」を35冊もリストアップできませんよね。それよりも木山捷平の本なんて手に入る確率が少ないんだから、そんなにリストアップする必要はないという考えもありますけどね。

だから私のパソコンには「シタールレコード」とか「ブラスバンドイージーリスニング」とか今回作ったような「吉田健一著作リスト」「片岡義男のエッセイ」といった、手に入る予定も可能性もまったくない覚え書きがいくつも入っていたりします。そういう人ってけっこういますよね。「ポール・ウェラー関係のアルバム、シングル一覧」とか「エルレーベルの全ディスコグラフィ」、「ジェリー・ロスプロデュース作一覧」・・・・なんてリスト作ってません?
今年に入って割と手帳にいろいろ書こうと思っているので、暇を見つけてはそれを書き写したりしているのだけれど、ネットで作ったリストは長くなりがちなので書き写すのは面倒くさい。でもプリントアウトしたものを持ち歩くのは味気ない、というジレンマに陥ったりもするわけです。

それにしても普段特に気にしていないのにリストを作ると急にこれも欲しい、あれも欲しいという気分になったり、がんばって全部手に入れるぞ、なんて意気込んでしまったりするのはなぜでしょうか。

「ことばの力」-外山滋比古-

続けて外山滋比古。表紙も内容もほとんど同じような感じですね。

先月末に歯茎が痛くなって以来、10年以上ぶりに歯医者に通ってます。歯茎の腫れのほうは親知らずが原因だったのですが、虫歯になりかけているところが何本かあるらしい。
子供の頃から病院に通うことが多かったせいか(そのわりに救急車を呼んだり入院しなくちゃいけないような大きな病気にはなったことはない)、治療の痛みに対してはぜんぜん平気で、まぁそういうものかな、このくらいの痛みは普通かな、などと思えてしまうのだけれど(とは言っても親知らず抜くのは痛そう。「これ抜くのは難しいですよ」と言われているし・・・・)、歯医者の嫌なところは少しずつしか治療しなくていつまで経っても終わらないところ。毎回15分、20分の治療時間で1本ずつしか治療しないんだもの。もう1時間くらいかかってもいいからまとめて治して欲しい。子供じゃないんだからさ、我慢できるよ、と思うわけです。
というわけで次回は土曜日10時から。まだ続くのかなぁ。

「ことばのある暮らし」-外山滋比古-

外山滋比古の本は前から気にはなっていたんだけれど、何から読んでいいのかわからなくてずっと保留にしていました。このあいだも書いたけれど最近同じような本ばかり読んでいるのでとりあえずブックオフで105円で売っていたこの本を購入。中公文庫だしね。
普段の生活の中で気がついた言葉の使い方の変化や電話での行き違い、英語と日本語の発音の仕方の違いについてなどを雑記風に書いています(というと誤解を生むかな?)。かなり柔らかく軽い感じで書かれているので、実際にはこれだけ読んでも外山滋比古がどういう文章を書く人なのか分かりません。なのでもう何冊か読んでみる必要があるかな、という感じですね。

この本の内容とは関係ないけれど、文章のうまさというのは、1/3はいろいろな話を知っている(あるいは体験して覚えている)ということと、1/3はそれらの話(あるいは体験)をうまくテーマに合わせて結びつけられる発想力・構成力、そして残りの1/3が読み手にうまく伝わるような文章を書く能力、と私は思っているのだけれど、どうなんだろう?いや、かなり適当です。
そう考えると毎日をなんとなく平穏に過ごしている、そして記憶力のあまりない私にはいい文章なんて書けるわけでもなく、そう思うとこう毎日、だらだらと文章を垂れ流しているのは、毎日自分の恥を上塗りしているだけなんじゃないか、なんて急に恥ずかしくなったりします。
ホームページにしろフリーペーパーにしろ、まぁどうでもいいメディアではあるけれど、10年以上ずっと文章を書き続けているのに、いまだに自分のスタイルとか個性とかないしなぁ・・・・。あれ!?何か書いてんだ!?今日はこんなこと書くつもりじゃなかったのに。

「うちの器」-高橋みどり-

GWに引き続いて午前中から部屋探し。5月に入っていろんな部屋を回って疲れたけれど、まぁいい感じの部屋が見つかってよかった。また久我山近辺です。あとは引っ越し。こっちも荷物多いしたいへんそうだなぁ、って他人事ではないのですが・・・・。まずはいらないものを捨てることからはじめなくては。
そうだバナナレコードに行ってレコードを入れる段ボール買って来ることにしよう。いやバナナレコードなんて言わずにジェットセットにしようか、どこかにミスターフリーダムのロゴが入ったものも売っていたっけ(どうでもいいか)。そして引っ越したらこの本に載っているような食器をそろえられるかな、なんて初めてのひとり暮らしの女の子みたいなこと言ってみたりして。(ウソです)

ほんとは今週末、最後の最後まで部屋を見て回って、慎重に決めようと思っていたのだけれど、午前中に見た部屋が思っていたよりもよかったので、結局そこに決めてしまったため、午後からタイフードフェスティバルへ。タイフードフェスティバルに行くのは今年で3回目、アジア系のご飯が好きな私ですが、胃が悪いので実はタイ系の辛いものはダメだったりします。だからできるだけ辛くなさそうな、もしくはタレのかけ具合で調整できそうなものを選んで食べてます。
それにしても毎年どんどん人が多くなってきてますね。しかもシートとかアウトドア用のテーブルと椅子を持ってきてもうほとんどピクニック状態の人たち多し。急に行くことにしたのでシートなどを持っていけなかったため、食べ物を買っても食べるところを探すのが難しくて、木陰を探して立って食べたりしてました。

「文房具を買いに」-片岡義男-

特に理由はないけど文房具が好き。ここに出てくるスコスはもちろん、ソニプラや伊東屋にいって文房具をみているだけでもなんだか楽しい。
でも家で仕事をしているわけでもないし、そもそも手帳にこまめにスケジュールやさまざまなメモを書き込んだりするという“まめさ”もないし、これを含めて文章はほとんどパソコンで書いているので、それほど文房具を使うという機会もありません。むしろ人より少ないんじゃないか、と思ったりしてます。
そういうわけで片岡義男のようにお店で何冊もメモ帳やボールペンを買い込んだりすることはありません。その辺は割と理性的に判断できるんですよね。といっても、うちに5本くらいスティックのりがあったり、使ってないノートが箱の中に入ったままになったりしますが・・・・。

ところでここに載っている写真は片岡義男本人が撮影したものなのですが(90年代になって片岡義男はそういう本を多く出しています)、オリンパスのOM-4を使っているとのこと。OMシリーズってなんか初心者っぽい感じがしていいですよね。自分がOM-1を使っているだけにちょっとうれしいです。

「男性自身 困った人たち」-山口瞳-

同じ本ばっかり読んでいるなぁ、という気がする。山口瞳、永井龍男、そしてときどき吉田健一、片岡義男という感じ。実際、この日記は今日で127回目(一回に何冊か載せているときもあるので127冊ではない)なのだけれど、そのうち山口瞳の本が20冊、永井龍男の本が11冊です。2人合わせると全体の24.4%、4冊に1冊にもなるのですね。
しかも2人とも作品によって作風が変わるわけではないので(山口瞳はときどき変わるけど、男性自身を読んでいる分にはあまり変わらない)、それこそ「いっつも同じような本ばかり」ということになるわけです。読みたいと思っている人はたくさんいるにはいるのですが、こんなに古本屋さんに通っているのになぜか巡り会わないのはなぜ。そんなにマイナーな作家でもないと思うんだけど。高見順とか獅子文六とか安藤鶴夫とか堀江敏幸とか池内紀とか・・・・。

さて、ゴールデンウィークの中日、みなさんはいかがお過ごしですか?なんて今ごろ書いてみる。私はとりあえず月末に引っ越そうと思っているので毎日不動産屋さんめぐりです。
3日間、かなり数を回ったせいで条件がはっきりしてきて、初めて入った不動産屋で「家賃は●●円まで、間取りは●●でできれば専有面積●●平米、駅からはちょっと遠くてもかまわなくて●●分くらい。洗濯機は~、構造はできれば~。そういう条件で●●線の●●駅から●●駅、あるいは●●線の●●駅から●●駅・・・・」などとすらすら条件が出てくるようになってしまいました。でもはっきりしすぎて物件がない!どうなる!?我が家の部屋探し。今のところだともうものが入らないぞ!

「絵本についての僕の本」-片岡義男-

明日から5連休。こんなにお休みが続くゴールデンウィークもなかなかない。今の会社に入るまで私はゴールデンウィークやお盆がお休みというのがなかったので、予定もないのに休みが続くのにどうも慣れない感じがします。
いや5連休中にやらなくちゃいけないこと、やりたいことはたくさんある。これもやりたい、あれもしたい、と思う。でもそういうのは家のことだったり、自分の趣味のことだったりしてたいていひとりでやることが多い。5連休中、いくら夫婦で暮らしているといえども(ちなみにミオ犬はゴールデンウィーク中は仕事なのです)、5日間昼間ひとりでいるのはちょっと寂しい。

で、つい友達から飲みに行こうとかちょっと出かけようなんて誘いにほいほいのってしまう。ついでに6時に待ち合わせもなんだから3時とか4時とかでご飯までのあいだちょっと散歩しようなんてことになる。すると休日は10時くらいに起きるのだけれど、せっかくの休日だしコーヒーをドロッッパーで淹れたりしてのんびりと朝食を食べて、天気もいいから洗濯でもして、掃除は明日でいいかな、なんてやっているといつの間にか昼過ぎ。
4時に待ち合わせとしても3時には家を出なくちゃいけないから、後3時間しかない。こうなったらちょっと早めに家を出てレコード屋や古本屋でもひとりでまわってみようかな、なんてことになって、結局一日が終わってしまうような感じ。
加えて飲み過ぎたりして夜、終電で帰ってきたりしたら、次の日は起きるのが昼前になってしまう・・・・なんてことをしているうちにやりたいこともほとんどできずにお休みは終わりになってしまうのです。

さぁ今年はどうなるかな?

「カレンダーの余白」-永井龍男-

朝、ぼんやりと目をあけると少しだけ開いたカーテンの向こうに青い空が見える。「あぁ起きなきゃなぁ」と思いつつ、また夢の世界へ。しばらくすると隣の部屋で携帯がなっている。「あぁ今度こそ」と思う。布団を持ち上げ、椅子の上に置いてあった眼鏡を取って、そしてそのまま掛け布団のほうへ倒れ込んでしまう・・・・なんてことを繰り返しながら、結局ちゃんと起きたのは11時過ぎ。前の日に飲んだ休日はいつもこんな風になってしまう。でも昨日はそんなに飲んでないのになぁ。

とはいうもののせっかくのお休みを無駄にするわけにもいかないので、急いで出かける準備をして代官山へ。ユトレヒトでやっている「エルベ・モルバン 小さな原画展」に前から行こうと思っていたのだ。FLOギャラリーはその名前のとおり小さなスペースでちょっと物足りないけれど、ここでみておかなくちゃ、というセレクトなのでつい行ってしまう。しかもけっこう頻繁に行っているのに本を買ったことはないというある意味いやな客ですね、私は。今日もいろいろエルベ・モルバンの本や絵本を見つつ「あとでamazonでチャックしてみよう」なんて思っていました。すみません。
その後は久しぶりにeau cafeへ。バケットサンドを食べる。今日は簾から差し込んでくる陽の光が椅子やテーブルにあたっていい感じ。持っていった本を読んだりしつつのんびりしていたら、店員が近づいてきて「すみません、バケットサンド、もうすぐ出来ますから」と。いやいいですよ。時間もあるし本読んでますから。

「A Designer’s Art」-Paul Rand-

会社を出て携帯をチェックすると「飲みに行かない?」というメールが来ていて、赤坂見附で飲むことになったので、待ち合わせの時間までに東京ランダムウォークで時間を潰す。
特に買うものもなく期待もせず店内を回りながら何気なくこの本を手に取ってみたらなんと2500円で、「タワーブックスでも5000円以上していたな」なんて思いつつ、一冊しか残ってないし明日は休みということもありレジへ。しかしお金を払ったあとレシートと一緒になにやらポストカードを手渡され、そこには「東京ランダムウォーク一周年記念、4/29~5/5 洋書全品20%OFF」の文字が!思わず店員に「これも?」と聞いてしまいました。あぁ。「そうです。また来てくださいね」じゃないよ。まったく。しかも帰ってきてamazonでチェックしたら2931円じゃないですか!?

そんなわけで思い出したのは、一年前の開店日、私は送別会か歓迎会か忘れたけれど、編集部で赤坂で飲んでいて、もちろん部内全員で飲んでも楽しいはずもなく9時過ぎに一次会が終わると、仲の良い友達と「じゃ!」と別れて、開店したばかりのこの店に入ったな、ってこと。で、「20%OFFでも高い」なんて言いながら店内を見て回ったってこと。その後コーヒーを飲もうと思ってスターバックスに行ったら閉店間近で入れなかった、ってこと。
あれがたった一年前なんて信じられない。もっと昔のことみたいだ。