「書架記」-吉田健一-

土曜日に高円寺の西部古書会館でやっている古書即売会に行き、日曜日は中目黒のカウブックスへ行く。同じ古本屋なのにこの客層の違いはなんなんだろう。というか古本屋としてカウブックスの客層が特異なんでしょうけどね。カップルや女の子2人組がこんなにいる古本屋さんってそうないです。

そのカウブックスになぜか吉田健一と永井龍男の単行本がたくさん並んでいてびっくり。いやーこれ欲しかったんだよ、なんて思いつつ微妙な値段だったのでとりあえず保留。吉田健一の本がこんなに並んでるの久しぶりに見ました。そういえばこの「書架記」も青山のほうのカウブックスで買ったんですね。それでお金を払う時にレジで店員に「奥のほうにも吉田健一の本がありますよ」って言われたっけ。
んんっ、実は流行っているのか吉田健一(そして永井龍男)。私は無意識にただ流行にのってるだけなのか!? 山口瞳は流行りにのっちゃおうという意識的に思っていたけど、吉田健一(そして永井龍男)までもがそうなのか。じゃ小沼丹や井伏鱒二、これからじっくり読もうと思っている里見弴はどうなんだろう?なんてちょっと疑い深くなってしまいました。
まぁ「人はただ流れに身を任せればいい」ってシャアも言ってたじゃないですか。

「石版東京図絵」-永井龍男-

大工の息子として神田に生まれた主人公の日露戦争から関東大震災を経て太平洋戦争の敗北までをたどった長い生涯を描きつつ、失われた下町の人情や職人たちを描いた本。
吉田健一もそうなのですが、永井龍男の小説もストーリーはわりと二次的なものに過ぎなくて、まず書き残しておきたい強いなにかがあって、それにあわせた物語があるというスタンスで小説を書いているので、小説を読んでいてもときどき随筆を読んでいるような気分なります。文章的なスタイルは全然違うんですけどね。

10月に初めて行った以来いつか行こうと思って毎週スケジュールをチェックしているものの、なかなか行く機会のなかった高円寺の西部古書会館に行ってみた。とりあえず西荻に出て総武線を待っていたら、ふと中野の中古カメラ屋を思い出し足をのばすことにする。
周りが最近続けてカメラを買ったせいというわけでもないけど、ちょっとコンパクトカメラが欲しいという気分なのです。このところ一眼レフを持ち歩くのはつらいので、オートハーフを持ち歩いているのだけれど、ピントなどが自動なのでちょっと物足りない。少なくとも自分でピントを合わせられるといいなぁと思ってます。ハーフはハーフでおもしろいんだけれどね。
フジヤカメラは前にOM1のレンズを買ったことがあるお店で、中古屋としては大きいし、少しだけれどコンパクトカメラも置いてあります。でも結局今日は欲しいと思うものが見つかりませんでした・・・・。それよりも店内が年配の男の人でいっぱいだったのには驚きました。

高円寺ではどこかで何か食べようと思いながら結局どこにも入る気になれずうろうろと古本屋巡り。で、目的の西部古書会館へ。いやー商店街からちょっとはずれたところにあるのに遠くからでも人だかりになっているのがわかるくらいの人だかりでびっくり。前回行ったときはそれほど人がいっぱいだったという記憶はないんだけどなぁ。それも年配の男性ばかり・・・・。
自分の趣味がどうもおじさんになっている気がしてちょっと「・・・・」な気分になりました。

「横浜おでかけガイドブック―元祖写真絵本」-沼田元氣-

横浜には高校の頃、土曜日になると毎週のように遊びに行ってました。2年の時に首にアトピーが出てしまったせいで剣道部を辞めたのでなんだか土曜の午後が暇になったのです。学校の友達はまっすぐ帰ったり予備校に行ったりしてたしね。といっても高校生、ひとりどこに行くわけでもなくただぶらぶらしていただけですけど・・・・。

たいていは桜木町で降りて野毛山のほうに歩きつつ古本屋をのぞいたりして黄金町でq映画見たり、そのまま伊勢佐木町のほうに行って中古レコードみたり、そのままスタジアムの横を通りながら中華街で肉まん食べてブラジルでコーヒー飲んで、元町のタワレコによって帰るというコース。けっこう歩いてたねぇ。というか場所は違っても行くところはレコ屋と古本屋で今と変わらず、って感じですか?

だからこの写真絵本に載っているような洒落たところにはほとんど行ったことはありません。もっとそういうところに行っておけばなぁ、あの頃はカメラなんて持ち歩いてなかったしなぁ、なんて思いながらページをめくってます。

「レオニード・シュワルツマン原画集」

劇場公開されてからかなり経っていると思うのだが、今でも雑貨屋さんなどに行くとチェブラーシカグッズが置かれているし、新しいものもどんどん出ているような気がします。でもどれもちょっとものたりなくてやっぱり映画に出てくるあの表情のない表情のチェブラーシカが一番かわいいなぁと思ってしまうのは私だけ?
その中でもこのシュワルツマンの原画はわりと気に入っていて、この本が発売されたときにパルコでやっていた原画展を見て以来、いつか買おうと思っていたのです。1100円、50円チケットを使いまくったので(750円分!)かなり安く買った気分。それにしてもこの間は柳原良平のアンクルトリスの画集が1000円で売っていたし、ブックオフに通い続けているとほんとにいろんなもの出てきますね。

なんか年末くらいから嫌なことばかりで落ち込んだり、イライラしたりすることが多いので、今度のお休みはこんな画集を見ながらチェブラーシカとかのビデオでも借りてこようかなぁ。基本的に楽天家なので寝たり、誰かとしゃべっていたり、夢中でなんかしていたりするとすぐ忘れるのんだけど、またなにかのきっかけで思い出してしたりして。多分、まわりからみたらそう大きな振幅ではないんだろうけど、普段平静なだけにどっと疲れるんだよね。